日活ロマンポルノを“再起動”、第一線の映画監督による完全新作製作へ。

2015/05/01 10:01 Written by Narinari.com編集部

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日活は5月1日、2016年の「日活ロマンポルノ」生誕45周年、2021年の50周年に向けて、新作製作と旧作の活性化をあわせた横断的なロマンポルノリブートプロジェクトを開始すると発表した。

「日活ロマンポルノ」は、日活が1971年に打ち出した当時の映倫規定における成人映画のレーベル。「10分に1回絡みのシーンを作る、上映時間は70分程度」などの一定のルールと、製作条件を守れば比較的自由に映画を作ることができた。そのため、チャンスを与えられた若手監督たちは限られた条件の中で新しい映画作りを模索。作品への情熱と、助監督として培ってきた技術と経験でさまざまな“性”の表現に立ち向い、男性向けに作られながらも、女性とその生き様を深く美しく描くことを極めていった。

製作終了した1988年までの17年間に、約1,100本もの作品を継続して公開し続けた結果、映画史において、最もセンセーショナルな作品レーベルとして、現在も国内外で高く評価されている。

しかし、ロマンポルノは、海外のポルノ映画に由来する「ポルノ」という言葉が一人歩きし、さらに当時では斬新すぎた性表現によって、製作当時から「芸術か猥褻か」の点で社会的な関心事として、今もなお様々なメディアで取り上げられている。海外ポルノが、実行為である本番・無修正が基本であるのに対して、日活ロマンポルノはすべて演技であり、実行為・本番ではない。あくまでも劇場公開用のフィクション映画として映倫審査をうけたR18+指定の作品。そして先日、神代辰巳監督の2作品「恋人たちは濡れた」「四畳半襖の裏張り」が映倫による再審査をうけ、R15+と指定された。

今回のロマンポルノリブートプロジェクトは、新作製作プロジェクトにおいて、第一線の映画監督たちへ、現代の性と男と女のドラマを描く表現の場を提供すること、および旧作ロマンポルノのマスターピース作品群の上映を行い、ロマンポルノの“早すぎた映像表現”を鑑賞する土壌を世代、地域ともに広げていくこと。この2つが、ロマンポルノリブートプロジェクトの主な目的となる。

新作ロマンポルノは、2016年一般劇場での公開を目指し、これまでロマンポルノ作品を監督していない第一線の監督たちによる完全オリジナル作品を製作。BSスカパー!をパートナーに、2015年初夏より製作を開始する。

1971年当時の製作条件を、一部現在のフォーマットに置き換えはするが、一定のルールの中で撮影するというロマンポルノの特質を引き継ぐ。同じ条件を課された監督たちが、どのような性愛の表現に挑戦するのか、そこからどんな女優・俳優たちが生まれてくるのか。新たな映像表現を獲得するための“挑戦と遊戯”の場として、日活はロマンポルノをリブートするというわけだ。

なお、新作の劇場公開に併せて、BSスカパー!にてR15+版の放映を行う企画も予定している。

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