不特定多数の人たちが利用する公共交通機関では、ほかの乗客に迷惑がかからないよう配慮することが不可欠だが、そうは言っても文化や習慣、考え方などの違いからトラブルが発生することもある。中国の路線バスではこのたび、乗客から発せられていたニオイが「臭い」という理由で乗車を拒否する出来事があった。乗客は海鮮市場で働いており、ニオイは「仕方ない」ところなのだが、一部のネットユーザーはバスの対応に不満を感じているようだ。
中国メディア華商報などによると、この一件は2月28日の夕方、陝西省西安市にある海鮮市場で働いている60歳の女性・劉さんが遭遇した出来事。彼女は同業者である親戚とともに、3人でフン恵路のバス停から316線に乗車した。
しかし、バスが発車してしばらくして、3人を災難が襲う。バス運転手が「魚臭い」という理由で3人の乗車を拒否するとともに、バスを降りるよう通告してきたのだ。
これに怒った劉さんたちは下車を頑に拒否。すると運転手は劉さんらの持ち物を検査、手にしていたビニール袋からは生の鶏肉や牛肉、クラゲが見つかった。運転手と車掌はやはり劉さんらに下車するよう迫るとともに、バスの窓を全開にしたそうだ。
その後も一悶着あり、最終的にバスは劉さんたちを乗せて出発することになったと伝えられているが、この一連の出来事にネットユーザーは賛否両論。
「ほかの乗客のことを考えれば仕方ない」と理解を示す者もいれば、「理由はどうあれ60歳のおばさんたちを無理矢理降ろそうとすなんてありえない」と批難する者もいて、ちょっとした騒ぎに発展してしまった。結局、地元メディアがバス会社に連絡を取り、謝罪の意を表明したことで決着することになったという。