中国では旧正月前後は犯罪が多発する時期。何かとお金を要する時期で、また、多くの人が里帰りをしたり、旅行に出たりするための大金を準備しており、犯罪者にとっては格好の稼ぎ時となるためだ。このたび中国メディアに報じられたのは、そんな時期を見計らって空き巣に入ったひとりの男の話。この男、大胆にも侵入先で4日間も過ごし、その図々しさがあだとなって逮捕されたという。
中国メディア・寧波晩報などによると、この空き巣犯は甘粛人の岳という男(22歳)。浙江省寧波市で働いている岳は、もともと旧正月を家族と祝おうと考えていたが、2月15日、故郷へ向かう列車のチケットを買うために寧波駅に向かったところ荷物を盗まれてしまい、手持ちの金が1,000元(約19,000円)程度になってしまった。
この出来事で故郷へ帰る気が失せた岳は、再びとんぼ返り。そしてネットカフェに入り、そこで新年を迎えることにした。
しかし、岳はネットカフェで散財。約1,000元あった手持ち金はオンラインゲームのアイテム購入にほとんど消費されてしまい、数日過ぎたころにはなけなしの金しか残っていなかった。
そして、ついにカップ麺すら買うお金もなくなってしまう。もちろんネットカフェに居続けることもできなくなり、岳はひとまず外に出ることに。そして、そのまま林唐村という場所にたどり着き、そこで空き巣を決心する。人がいなさそうな家に狙いを定め、3階のトイレの窓をこじ開けて中に侵入したのだった。
予想通りその家には誰もおらず、岳は家に置かれていたフルーツを食べたり、チョコレートを食べたりしてまず腹ごしらえ。そして一包みのタバコを見つけると、タバコを吸ってそのままベッドの下にもぐって眠りについたそうだ。
結局、この家があまりに居心地が良かったのか、岳はそのままそこで三日三晩過ごすことに。家に岳が望むような金品がなかったせいもあるのかもしれないが、滞在中は料理をしたり、パソコンで遊んだりとやりたい放題。眠くなるとベッドの下にもぐりむという生活を続けていたという。
しかし、そんな“バラ色の生活”は旧正月の祝いを済ませて戻ってきた住人に発見され、あっけなく終了。住人がベッドルームに入ると、家族が吸わないハズのタバコの臭いが充満しており、ベッドの下で眠りこけているところを捕らえられたそうだ。こうして岳の新年は終わりを迎えたという。