ロシアのモデル、作家、そして実業家の顔を持つエレーナ・レニーナは、自分の飼っていた猫のために多くの非難を受けている。英紙デイリー・メールやメトロなど複数紙によると、昨年9月、出席者は全員ピンクを着用しなければならない「プリティ・ピンク・パーティー」に呼ばれた彼女は、飼い猫と共に出席。その際、彼女が連れてきたその猫はなんとピンク色に染められていたため物議を醸したという。
エレーナは自分に寄せられた非難に対し、獣医と相談して無害であるという染料を決め、その際「ピンクの色は飼い主を和ませるばかりか、猫自身の毛を強くするといった効果もある」といった助言をもとにしたと反論。染料によって猫が自身の毛を舐めることを控えるため、結果強化されるというのだ。こうした理由などを説明しながら、動物虐待ではないかとの論調と戦うことになる。
そして先日、そのピンクの染料の毒性が原因で、哀れな子ネコが死亡したと報道がなされ、さらに批判が高まった。動物の権利を守ろうとする活動家であり、アーティストでもあるユーリ・ククラチェフは、この無意味かつ残酷な行動によって猫を死なせてしまったことを事件として調査すべきとオンライン上で警察署に請願を始めることにしたのだ。請願書にはすぐに数千人の同意者が集まり、ネット上でも「何という愚か者だ。残酷で自己陶酔的」「馬鹿。猫の死に責任を持つべきだ。多くの意味で間違っている」「猫はおもちゃじゃない。かわいそうに」とかわいそうな猫に同情し、愚かな飼い主への怒りに満ちあふれた意見が多く寄せられている。
しかし、これらの報道が世界をにぎわせた後に、米ハフィントン・ポストが興味深い記事を投稿した。渦中のエレーナ自身のSNSを引用し、死亡したと目されている猫はまだ生きている、というのだ。投稿された写真には、毛先に若干のピンク色が残った白い猫が写っている。投稿された写真と共に書かれた文章には「謝罪して欲しい?」と挑発的な書き出しで、猫はまだ生きていて、自分に取材して裏付けを取ることもなく記事にした新聞社に対し弁護士を通じて反論したと説明している。さらに、情報に踊らされ「呪いの言葉を投げかけてきた」人たちの攻撃を悲しみ、「どうしてこんな愚かな人が多いのだろうか」と嘆いた。
二転三転する話題に多くの人が戸惑っており、「死んだかどうかは問題ではないだろう」「色々な意味で恐ろしい。何が本当なのかわからないが、魔女狩りというのはこういうものだったのかもしれない」「ロシアでは何が起きても不思議ではない。全てが虚構であっても私は驚かない」「これはメディアが一番悪い。裏付けなしに書き、それが世界で拡散される。読む人が悪意を持ってしまったら、守りようがないよ」などのコメントが散見されている。