植物状態回復に“お金”が一役、目の前でチラつかせたら掴んだ。

2015/01/18 14:33 Written by Narinari.com編集部

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重度の昏睡状態を指す“植物状態”は、全脳の機能が停止している脳死とは異なり、まれに回復することがあると言われているが、先日“植物状態”に陥っていた中国人患者が200日ぶりに意識を回復、そして認知能力も取り戻すことに成功した。その一役を買ったのが、目の前でチラつかした“お金”だったという。

中国メディア南都網などによると、この患者は広東省深セン市龍崗区で暮らす李さん。李さんは2013年8月、ネットカフェでゲームをしていた際に突然意識を失い、病院に担ぎ込まれた。幸い命は取り留めたものの、ひどい脳出血から“植物状態”に陥り、以来、病院のベッドでの生活が続いていたという。

そんな李さんに回復の兆しが見えたのは2014年3月のこと。李さんに軽微の反応があらわれ、指が微かに震えるようになった。李さんの母親はほぼ毎日つきっきりで看病し、息子に話しかけたりしてきたそうだが、ある日「あなたが目を覚まさないと、私も生きていられないわ」とため息を漏らしたときには、李さんの目の縁に涙のようなものがにじみ出ることもあったそうだ。

しかし、そうは言っても完全回復にはまだまだほど遠く、李さんの反応はほとんどない状態。すると昨年の中ごろ、今度は李さんの手足に刺すような刺激を与えると、手足を伸び縮みさせるようになり、ついには目で指の動きをゆっくり追えるまでに回復した。この変化に気付いた看護師が財布から100元札を1枚取り出し、李さんの目の前でチラつかせるとともに「このお金はあなたにあげる。あなたのですよ!」と大声を発すると、驚くことに李さんは震えながら手をあげはじめ、5分ほどかけてついにその紙幣を掴むことに成功した。

この行動は明らかに李さんが認知能力を取り戻した証拠にほかならない。以来、母親は何かにつけてお金をチラつかせ、李さんに随時刺激を与えるようにし、着実に回復の道をたどることになったそうだ。現在、李さんは助けを借りながらも少しは歩行できるようになり、退院の目処がつくまで回復しているという。


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