学食の“最低消費額”が物議、専用ICカード管理で毎月6,000円前後。

2015/01/11 11:12 Written by Narinari.com編集部

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中国ではときどき“最低消費額”を設定している飲食店を見かけるが、これは安定した売り上げをあげるために決められているもの。また、カフェなどでは、何も注文せず席に居座る客を追い出す効果もあると言われている。いずれにせよ、この“最低消費額”は客の立場からするとあまり気持ちの良いものではないが、中国ではこのたび、学食に“最低消費額”を設定している学校の存在が明らかになり、物議を醸しているようだ。生徒たちは「何をどれだけ食べようと僕たちの自由じゃないか」と反発しているという。

中国メディア・新文化網などによると、この学校は、2,300人以上の学生が在籍している吉林省通化市柳河県にある高校。同校では学食を利用する際、専用のICカードで支払いを済ませるようになっているが、毎月同校が定めている“最低消費額”をチャージしなければならない。そのため月末が近づくと、学生たちは必要のない物を売店で購入するなどして何とか“最低消費額”分の食事と買い物を済ますそうだ。

同校が定める毎月の“最低消費額”は男性350元(約6,700円)、女性310元(約5,950円)。この金額は、寮で暮らす学生で、毎日学食を利用しているならば決して高くはない。1日3食学食で食べていれば、普通に消費してしまう金額だ。

しかし、同校には学生寮に住まず、自宅や親戚の家から通う学生も多く、彼ら・彼女らは学食を使わず、自宅で食べたり、外食したりするケースも多い。そうなると、ときに“最低消費額”を満たせず、お金が無駄になってしまうため物議を醸しているのだ。

同校校長の話では、この“最低消費額”は以前学食を管理していた業者が設定したそう。現在、学食は学校で管理しているが、いまだ“最低消費額”のルールを残しているのは、何よりも学生の安全に気を使っているからだ。食の安全がしばしば問題視される中国において、学生たちの健康や安全を鑑みると、「外で食べるよりも学食で食べるほうが安全」という意見で、仮に学生が外食して何か問題が発生した場合、保護者とのもめ事に発展する可能性もあるため、そうしたリスクを学校側としては極力避けたいのだという。

とは言え、学生たちはこの“最低消費額”に不満たらたら。「恥さらしだ」「学生は学食で食べたい物を食べたい分だけ食べる権利がある!」などと批判の声が多数あがっている。メディアに報じられてネットでも注目を集めてしまったことから、今後学校側は対応に迫られることになりそうだ。

なお、この一件に関する弁護士の見解は、「学食は教師と学生に食事を提供する場所であり、彼らの意思で消費するのが原則だ。休み中に学生が外で食事をして問題が生じた場合、それはそのレストランの責任であり、学校側が責任を負う必要はない。しかし、在学中に学生が外で食事をし、何か問題に巻き込まれた場合は学校に責任がある」としている。

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