今年11月10日に悪性リンパ腫のため亡くなった俳優の高倉健さん（享年83）が、1991年に発表したエッセイ集の文庫版「あなたに褒められたくて」（1993年8月発売／集英社文庫）が、今週12月8日付けのオリコン週間“本”ランキング（集計期間：11月24日〜30日）文庫部門にランクイン。先週付けまでの100位圏外から39位（週間売上0.7万部）に急上昇した。オリコンが同ランキングを開始した2008年4月以来、TOP100入りは初となる。

1993年の「第13回日本文芸大賞エッセイ賞」受賞作品となった同エッセイ。高倉さんが映画人生で出会ってきた人たちとの心温まる交流や、忘れることが出来ない時間や場所などのエピソード、またタイトルにその思いが凝縮されている最愛の母についても綴っており、その愛すべき人柄と魅力を再認識させられる。

同文庫をはじめ、2001年に発表された児童書「南極のペンギン」（集英社）など、高倉さんの著作や関連本の重版が続いている。不世出の映画スターの“男の生き様”は生前より多くの人々の心を掴んできたが、関連書籍を通じてまだまだ多くの人々の心を揺さぶりそうだ。