野良犬と心通わせた700kmの旅、遠い異国で出会い母国に連れ帰る。

2014/12/01 06:48 Written by Narinari.com編集部

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およそ700キロ近い行程を共に歩き続けていれば、そこには友情や愛情が芽生えるものなのかもしれない……。そんなことを考えてしまうような出来事が話題を呼んでいる。

英紙デイリー・メールなどによると、山、川、海などで多くのアウトドア競技をこなすアドベンチャーレースのスウェーデン・グループが、南米エクアドルに出かけた時のこと。熱帯雨林の中を泥にまみれて歩いた後、メンバーのミカエルさんが空腹のためにご飯を食べようと缶詰を開けた時、一匹の野良犬と目が合った。

力なく悲惨な状態の犬に、憐れみを感じたミカエルさんは、缶詰のミートボールを分けてあげたという。その後グループが出発しようとすると、野良犬は後をついてくることに。世界チャンプを決めるため、430マイル(約692キロメートル)の距離を山に、河にと進む中、野良犬はずっと寄りそい、仲間たちからは“アーサー”との名が付けられるようになった。

川を下り山道を泥まみれになりながらも一緒にいるアーサー。彼はチームのナビゲートを務めたりするなど献身的であり続け、ミカエルさんたちが安全を懸念してチームから外そうとした時もそれを拒み、河に飛び込んで泳いでついてくるなどしたという。

世界選手権の結果は、望んでいたほど高い順位ではない12位という成績だったが、ミカエルさんたちは達成した喜びと、チームのメンバーが増えたことに満足していた。しかし、アーサーは急に体調を崩し、皆を心配させる。

このとき既にアーサーと離れがたくなっていたミカエルさんは、アーサーを獣医に診せ、同時に母国へ連れて帰るためにスウェーデン家畜衛生当局に検疫の申請を行った。この話が母国で報道されると、多くの人がアーサーの快癒と検疫が認められるようSNSなどで拡散されていく。アーサーの体調が峠を越えて、検疫についても最終的に当局の許可が下りると、ミカエルさんと顛末を知る人々たちは感激で涙を流したという。

ミカエルさんは「世界選手権で勝つためにエクアドルに来たけれど、代わりに新しい友だちができたよ」と語り、アーサーと一緒に母国への帰路についた。帰国後の空港などでは報道で知った多くの人たちの出迎えや客室乗務員らとの記念撮影など歓待されたとのこと。

このニュースに寄せられたコメントは「なんと長くて壮大な話だ。涙がぬぐいきれない。きっと相当に美味しいミートボールだったに違いない」「いい話でいい結末だ」「臭いニシンでなくミートボールで良かった」「アーサーがすばらしい生活を送りますように」と祝福と感動を表したものが多く寄せられている。

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