我が子を勇気づけるため、お父さんはスーパーヒーローになる――。そんな優しい気持ちを行動で示した家族が話題を呼んでいる。

英紙デイリーメールや米紙ニューヨーク・デイリーニュースなどによると、英国のフリージャンパーとして、「ハリーポッター」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」などの映画で活躍しているマイク・ウィルソンさんが、末期の脳腫瘍を抱えている我が子のために、“スパイダーマン”になったそうだ。

今から15か月前、息子のジェイデンくんは脳腫瘍の一つである多形性膠芽腫と診断され、余命は平均で12か月と宣告された。

「私たちは最初そのことを信じられませんでした。自分の近しい人たちにそんな悪いことが起きるなんて絶対に考えたりしないものです。それでも息子はまるでチャンピオンのように毎日を戦っています」

マイクさんは息子の誕生日を思い出深いものにしようと心に決め、自分と息子が愛するスパイダーマンに扮し、息子を喜ばせようと準備を始めた。米国から衣装を取り寄せ、入念なリハーサルを何度も行う父。

「私はスパイダーマンのファンなので、一般の人たちがスパイダーマンのふりをしていることを嫌っていました。なので私も完璧ではないでしょうけれど、ベストを尽くして本物のスパイダーマンに近づきたいと思います」

誕生日当日、ドアのチャイムに呼ばれ母と姉に連れられて玄関にやってきたジェイデンくん。そこへ屋根の上からひらりと現れるスパイダーマン。お姉さんの歓声があがり、「君はジェイデンだね？」と尋ねられると嬉しそうにうなずき、年齢を聞かれて指で5歳と示す。スパイダーマンは祝いの言葉と共にジェイデンくんを抱えて家の中へ入っていくと、家には家族や友人が勢揃いで、ヒーローと一緒に誇らしげにポーズを決めて写真撮影をしてもらう最高の誕生日となったという。

この話題に多くの人が感動のコメントを寄せており、「なんとすてきなお父さんだ。私はあなたの息子さんの幸せと病気が良くなるよう心から祈っています」「クールで勇敢な男の子のためにクールなお父さんが…全てが最高」「なんて優しい話。泣ける」「ほのぼのと切なさが同時に。強くあってほしい」といった励ましが寄せられている。