ダニに刺されて肉アレルギーに、食後に発疹発症例など米国で増加。

2014/08/12 15:57 Written by Narinari.com編集部

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米国人の食生活といえば、ステーキやポークチョップなど、お肉がどどーんとメインディッシュになっている食事を想像するかもしれません。ところが最近、そのお肉大好き米国人を悩ます、ある害虫が問題となっています。

それは“ローン・スター・ティック”と呼ばれる、米国中部から東部に生息するマダニ。これに刺されると、肉アレルギーになってしまうという事例が相次いで報告されているのです。ひどい場合には生命をも脅かすほど危険なアレルギー反応を引き起こしてしまうとのこと。しかし、ダニに刺されて牛肉や豚肉などが食べられなくなるとは、いったいどういうことなのでしょうか。

その秘密は“ローン・スター・ティック”が体内に保有する「アルファ・ガル」と呼ばれる炭水化物(糖質)にあります。この物質は、哺乳類以外の動物の筋肉にも含まれているものですが、通常はこれらのお肉を経口摂取しても、アレルギー反応は起こりません。しかし“ローン・スター・ティック”に刺されると、「アルファ・ガル」に対する抗体がヒトの体内に出来上がります。そして「アルファ・ガル」に対する抗体が出来上がった後に牛肉などを食べると、激しいアレルギー反応が出てしまうというのです。

これまでお肉を食べても何ともなかったのに、ある時から急にステーキなどを食べた数時間後に、ひどい発疹や呼吸困難になって救急病院のお世話になる……。こうした事例が近年増え続け、その原因がマダニにあるということを数年前に発見。以降、メディアでもしばしば取り上げられ、啓蒙が続けられています。

幸いなことに、この肉アレルギーは時間とともに改善することもあるとか。しかし、お肉を食べた後の激しいアレルギー反応を何度か経験してしまった後では、さすがに大好きな食べ物でも、もう食べる気が失せるかもしれませんね。

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