今年6月に大学を卒業した英国のある男性は、4年間、母親に大きな“秘密”を隠していた。その“秘密”とは、自分が大学へ通っていたこと。そこで彼は卒業する直前、ずっと「魚工場で働いている」と伝えていた母親をパブに呼び出し、満を持して大学へ通っていた事実を明かしたそうで、そのときの様子を彼自身が撮影した動画が、英国で話題を呼んでいる。
英紙ザ・クーリアーやデイリーメールなどによると、大学生だった事実を4年間母親に隠し続けたのは、スコットランド地方クリエフに住む31歳の男性、リアム・ブレアさん。以前、ギターに夢中となって大学を辞めた過去がある彼は、4年前に「周囲に“精神的な問題”で悩む人たちがいた」との理由から、心理学を学ぼうとダンディー大学へ入学した。ただ、中退した過去も負い目になっていたのか、当初は「入学が決まるまで」内緒にしておくつもりだったという大学受験の秘密は、結局、合格して入学した後も言い出せなかったそうだ。
クリエフの実家を離れ、大学近くのアパートで学生生活を送っていた間、母親に対しては「魚工場で働いている」などと社会人であるかのような嘘をつき続けていたというブレアさん。時間が経つにつれ、前に頭の中で考えた架空の同僚について「質問される」など、母親から自分の現状について聞かれるたびに、さらなる嘘を重ねて秘密がばれないよう取り繕い続け、最後のほうは辻褄合わせを考えるのにも苦労したそうだ。しかし、同じ大学に通っていた妹の協力もあって、何とか自分が大学に通っている事実を母親に隠し通した彼は、卒業式を迎えた今年6月、ついに母に秘密を明かすことにしたという。
そのときの様子を紹介したのが、6月21日付でブレアさんがYouTubeに投稿した動画「Mum gets surprise of her life!」(//www.youtube.com/watch?v=PoWInd_Nfac)。この日、1週間後に控えた誕生日のお祝いで食事をおごると、パブに母親を連れ出した彼は、途中でトイレへ立ち上がると、午後に出る予定だった卒業式用の服装に着替え、母親の前へ向かったという。そして、「今日卒業するんだ」と突然告白し出した息子に対し、「何を言ってるの?」と戸惑う表情を浮かべる母親。しかし、一通り息子から説明された母親は、やがて「本当なの?」と尋ねて現実だと認識すると、感激した表情で息子の胸に顔をうずめており、息子のサプライズに嬉しさを感じていたようだ。
ブレアさんの祖母は、それまで母親が「彼が今までの教育を魚工場で無駄にしていると言っていた」と明かしており、息子の現状に対して複雑な気持ちを抱いていたのが実情だった様子。そうした中で、突然大学に入り直して卒業したと聞かされたため、母は彼の告白を「素晴らしいサプライズ」として受け止めたという。
今後は、大学での勉強を活かして「スコットランド・メンタルヘルス協会」の職員になる予定だというブレアさんが、母親にとっては間違いなく、この日を境に自慢の息子となったはずだ。