6月27日から中国で上映が始まった映画「トランスフォーマー/ロストエイジ」。すでに本国・米国の興行成績を追い抜くほどの話題作となっているが、このたび中国の農家の男性が、そんなトランスフォーマー人気にあやかり、廃棄品を使ってロボットを製作した。このロボット、それほど安い価格でないにも関わらず評判が評判を呼び、すでに100体以上販売することに成功。現地では「トランスフォーマーは“金のなる木”だ」と話題だ。
中国メディア光明網などによると、この“トランスフォーマー”を製作したのは山東省済南市章丘市聖井鎮で暮らす劉憲会さん。45歳の劉さんは、誰かに教えてもらうわけでもなく、仲間たち数人とともに廃棄品で“トランスフォーマー”の製作を開始した。初めて製作したのは3メートルほどの高さのものだったが、アッという間に買い手がつき、3万元(約49万円)で販売することに成功。これにビジネスチャンスを感じた劉さんは「トランスフォーマー」に登場するキャラクターを熱心に研究、次々と製作に取りかかった。
劉さんが製作する“トランスフォーマー”はすべて手作り。ひとつひとつの部位を溶接したりネジで固定したり、時間をかけて作られている。一応図面も用意されているが、細かい部分はすべて劉さんの頭の中にインプットされているそうで、材料集めから1体のロボットが完成するまでに要する時間は、小さいもので5日程度、大きいものでも20日はかからないそうだ。
劉さんが製作するこれらの“トランスフォーマー”は映画同様大変な人気を博しており、すでに100体以上を販売。需要と供給が追いつかない“バカ売れ”状態で、10万元(約160万円)もするオプティマスプライムが売れたこともあるという。
顧客はショッピングセンターや不動産関連業者が多いようで、彼らは劉さんの“トランスフォーマー”を購入、店に設置することで、客寄せに活用しているそうだ。
なお、勝手に映画のキャラクターの製品を作り、販売するのは著作権などの権利を侵害している。このケースもすべて無許諾での製作・販売と見られるが、製作者の劉さんはもちろん、この話題を報じている現地メディアも、その点には一切触れていない。