娘のために本気で“王国樹立”、アフリカに主権空白地見つけたパパが建国。

2014/07/15 13:34 Written by Narinari.com編集部

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かわいい愛娘から欲しいものをねだられたら、どうも甘くなって断りきれないというお父さんも多いかもしれない。最近、そんな父親の1人だった米国のある男性は、7歳の娘の願いを叶えてあげようと、国際問題にもなりかねない行動に出たという。今年6月、自ら調べて見つけた“どの国にも属さない”とされるアフリカの砂漠の一画へと渡り、旗を立て、自分たち家族による“王国”樹立を勝手に宣言。娘の「王女様になりたい」という願いを、本当に叶えてあげたそうだ。

娘の願いを叶えるための王国を建国したのは、バージニア州アビンドンに住むエレミア・ヒートンさん。彼のFacebookなどによると、彼を思い切った行動に駆り立てたきっかけは、冬のある日、一緒に遊んでいた7歳の娘エミリーちゃんとの会話だった。以前から「王女様になりたい」との願望を持っていた彼女は、その日、父親に「いつか本物の王女様になれるかな」と問いかけ、それを聞いた彼は「なれるよ」と答えてしまったそうだ。

すると、「子どもたちとの約束を守るため最善を尽くす」ことが信条だという3人の子を持つ父は、娘を本物の王女にするために、まず「自分が王様になれる方法」を研究。「どうやって願いを叶えてあげれば良いのか、全然分からなかった」中でも、数週間にわたっていろいろと調べ続けた結果、エジプトとスーダンに挟まれた砂漠の中に、どの国にも属していない「795平方マイル(約2,000平方キロ)」の一画があることを突き止めた。

彼が見つけたのは、113年間にわたってエジプトとスーダンの間で国境線の画定交渉がまとまらず、現状は主権空白地とされている場所。過去にも、この場所を見つけてインターネット上に自分の国にすると主張した人たちがいたそうだが、両当事国だけでなく、「どこの政府にも認められなかった」ため、依然主権空白地のままだという。

しかし、娘の願いを叶えられるかもしれない格好の場所を見つけ出したこの米国の父親は、今年6月にエジプトへ渡航。一画への訪問許可をもらったエジプト政府の「フルサポート」まで受け、14時間かけて目的地にたどり着いた彼は、エミリーちゃん7歳の誕生日である6月16日に「子どもたちがデザインした」旗を立て、Facebookで自分の王国樹立を宣言した。

その後、帰国したヒートンさんは子どもたちと相談して、国の名前を「北スーダン王国」と命名。エミリーちゃんには冠を用意し、家族にはこれから彼女を“エミリー王女”と呼ぶよう取り決めた。父親の計らいで、願いを現実にしてもらった当の“エミリー王女”も「すごい」と喜んだそうで、放牧民がときどき行き交う程度の「人口0人」の地域ながら、早速「子どもたちの食料が足りているか見たい」と話すなど、すっかりその気だ。

ただ、専門家から指摘されるまでもなく、過去の人たちが行った主権主張を「不法」と記しているヒートンさん自身も、本当に自分たちの王国が世界から認められるとは思ってない様子。それでも一方で、「私は子どもたちのためなら何でもすると、彼らに知ってもらいたいんだ」と話す父は、アフリカで自分の国に対する「認知活動を行っていくつもり」と話しており、本当に国を樹立させる努力は続けていくようだ。

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