街に増え続ける「LOVE」の看板、2人の男性が“愛でいっぱいに”と活動。

2014/07/14 19:28 Written by Narinari.com編集部

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世界的に“ジャズの街”として名高い、米ルイジアナ州ニューオーリンズ。いまこの街で、目にした多くの市民の心を癒す“謎の看板”が増えているという。赤字で「LOVE」とだけ書かれた看板で、通りの交通標識や電柱に付けられるなど、今ではその数350以上にも及ぶそうだ。密かに看板を付ける活動を行っているのは、2人の男性。彼らは、市民の心に平穏をもたらしたいと願い、この活動を始めたという。

米放送局CBSやCBS系列WWL-TVなどによると、ニューオーリンズの至るところに看板が現れ始めたのは、今年の4月から。電柱や交通標識に変えられる形で、白地に赤い字で「LOVE」と書かれた看板が増えただけでなく、カラフルに「Beautify NOLA(ニューオーリンズを美しよう)」と書かれたマンホールの蓋なども見られるようになったという。メディアの取材で、これらの看板を掲げる活動を行っているのは、匿名を条件に名乗り出た男性2人と判明しているそうだが、自治体や警察の許可を受けてやっているわけではないので、彼らの活動は厳密にいえば「違法行為」(米紙タイムズ・ピカユーンより)となるそうだ。

ただ、突然街中に増えだした「LOVE」の看板を、多くの人は特に問題視していない様子。むしろ、看板を目にした人たちの間で「愛し愛されるのは素晴らしいこと」「その言葉には気持ちを高めてくれる力がある」との声が聞かれるなど、好意的に捉えている市民も多く、そうした雰囲気も看板が増えていく要因の1つに繋がっているようだ。

この「LOVE」看板を街中に付ける意図について、活動を行っている男性の1人は「社会実験のようなもの」と説明。「言葉の力を信じている」という彼らは、ニューオーリンズを明るく平穏な街にしたいとの考えから、4月から昨年犯罪が起きた場所を重点的に狙って、「LOVE」の看板を密かに付け始めたそうだ。看板を見た人が「愛について考えれば、もっと言葉として口に出すようになり、より現実となる機会も増えるだろう」と、街全体が愛の気持ちでいっぱいになるように願って始めたという。

残念ながら、憎悪を駆り立てるような犯罪が無くならない世の中で、「市民に“愛”という言葉を思い出させるのは間違ってるのか」とも主張したという2人。誰の身にも深刻な事態を招きかねない、様々な対立や暴力事件が生まれるくらいなら、「LOVE」の単語を掲げて市民の心からネガティブな気持ちを少しでも減らしたい――その一心で彼らは、「私たちの努力は誰も傷つけない」と、まだまだ看板をニューオーリンズの街中に増やし続けていくつもりだという。

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