英国のある動物園が、予期せぬ出来事に直面している。先日、飼育しているメスのモルモット100匹がこぞって妊娠している事実が発覚し、モルモットの数がこれまでの倍以上に膨れ上がることになった。その原因を作ったのは、メスだけを入れていた囲いの中になぜか1匹だけ紛れ込んでいた、元気すぎたオスのモルモット“ランディー”だ。
動物園の公式サイトなどによると、この出来事が起きたのは、英南部の街バーミンガム近郊にある複合レジャー施設「ハットン・カントリーワールド」。ここの動物飼育スペースには、全部で約300匹のモルモットが飼われていたそうだが、オスとメスの囲いは別々にして、しっかり管理しながら飼育していた。それなのに最近、予想だにしなかった出来事が起きてしまい、職員たちは頭を抱えたそうだ。
5月下旬に行われた検査で、メスのモルモット100匹が妊娠していると判明。その後、職員たちがメスの囲いを調べてみたところ、ランディーと名付けられた2歳のオスが、わら山の中で「疲れて寝ていた」姿で見つかり、「彼が原因だ」と判明したそうだ。しかし、なぜランディーがメスの囲いの中に紛れてしまったのかは不明で、職員の1人は「彼を撫でた子どもが間違ってメスの囲いに入れてしまったか、彼自身がメスの囲いに行こうと必死に抜け出したのかもしれない」と考えている。
ただしモルモットにだって、100匹のメスと生殖行為となれば大変な重労働で、見つけた時は「前より少し痩せたように見えた」と言われるほど、精根尽き果てた様子のランディー。多くのメスに囲まれる生活は、彼にとって至福の時だったかもしれないが、100匹と相手をするとなればそれなりの時間も必要だったとされ、少なくとも数週間はメスの囲いに紛れ込んでいたはずだという。楽しかった(?)メスたちとの時間を終えたランディーは、問題発覚後すぐにオスの囲いの中に戻されたが、彼が起こした行動のために、動物園はその対策に追われるハメになった。
モルモットは妊娠60〜80日程度で、平均4匹の赤ちゃんを産むとされていて、恐らくそう遠くないうちに“ベビーブーム”を迎えるはず。近況を伝える公式ブログは“妊娠報告”後に新たな情報は更新されておらず、また、英メディアでも特に続報は伝えられていない。しかし、生まれてくる赤ちゃんの数は、単純計算でも約400匹前後と大変な数で、きっと出産準備や飼育ための人員確保など、てんやわんやの事態になっていることだろう。