“酸欠必至”箱の中でデスメタル、路上で行う奇抜なパフォーマンス。

2014/07/08 19:49 Written by ナリナリ編集部

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デスメタルとは、曲調や歌い方にポイントとなる特徴があり、主に死を彷彿させる歌詞を扱うような、へヴィ―メタルに含まれる音楽ジャンルの1つ。一言でいえば過激な音楽性ゆえ、なかなか一般的に親しまれている音楽とはいえないが、そんな中で英国では、街中で1か月間演奏を行うという挑戦的なデスメタルバンドが現れた。ただしその舞台は、防音対策もされた完全密閉の箱の中。何から何まで奇抜すぎるパフォーマンスとして、世間の注目を集めているようだ。

英紙インディペンデントやガーディアンなどによると、このパフォーマンスを行うのは、英国のデスメタルバンド「アンファゾマブル・ルイネーション(Unfathomable Ruination)」。彼らは7月3日から8月1日まで、水曜から金曜までの午後6時から、ロンドン市内の街中に設置した防音対策を施した金属製の大きな箱の中に入り、パフォーマンスを行うという。とはいえ、もちろん防音対策されているので、外にはほとんど音は漏れないはず。彼らを見たくて訪れた人がいたとしても、箱の中だから演奏している姿すらも見ることはできない。

実は今回の彼らのパフォーマンス、ポルトガルの芸術家による作品の一部として行われるものだという。ロンドンではこの夏、市内各地にさまざまな芸術作品を置いて市民に楽しんでもらう「芸術祭」が開かれるそうで、“箱の中のデスメタル演奏”もその1つ。彼らの展示に対しては、箱の外から「変な振動を観察する」ように説明されていて、実際にバンドの姿が見られるのは「箱に入る時と出てくる時だけ」に限られる。

見る側としてはかなり“前衛的”な作品と言えそうだが、一方で作品の一部となる「アンファゾマブル・ルイネーション」にとっては、かなり挑戦的な演奏ともなりそうだ。というのも、彼らのFacebookで実際に箱の中に入った様子の写真も紹介されているのだが、ボーカルは中で首を伸ばせない状態で、ドラムが内部のほとんどを占めてしまうなど、相当窮屈な感じ。さらに、防音対策をして完全密閉した箱の中で、彼らが派手に演奏を行えば、暑さの問題もさることながら、すぐに酸欠へ陥るのは必至なはずで、彼らもパフォーマンスを行う時間については「酸素がある限り」としている。

芸術的な意味合いについてはなかなか難しそうな作品ではあるが、デスメタルバンドとしては、文字通り“死”を思わせるパフォーマンスを始めた「アンファゾマブル・ルイネーション」。ただ、ガーディアン紙で彼らが「酸素が無くなるまで演奏する」と紹介された後、その挑発的な文面を見たメンバーがFacebook上に「オレらが死ぬつもりだと? 挑戦してやるぜ」と書き込んでおり、限界まで演奏し続けるやる気を持って1か月間臨むつもりのようだ。

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