小さな子どものように何でも好奇心を示す犬の飼い主は、日頃から妙なものを口にしないかと、いろいろと大変な思いをしているかもしれない。米国のある女性は先日、愛犬がアイスキャンディーを全部食べ、体調を崩してしまい、てんやわんやの騒ぎになったという。ところが、嘔吐した愛犬の吐しゃ物の中から、5年前に無くなったという結婚指輪を発見。愛犬も元気になり、女性は二重の意味で喜んでいるそうだ。
米放送局ABCやCBS系列WTVR-TVなどによると、このハプニングを体験したのは、ウィスコンシン州スティーブンスポイントに住む、ロイス・マティコウスキーさん。6月23日、庭で突然、10歳の愛犬タッカーが苦しみだして「あえいでいるのに気が付いた」そうだ。どうやらタッカーは、アイスキャンディーに付いていた棒ごと全部食べてしまったらしい。
「彼はいい匂いのするものが何でも好きなの」と話すマティコウスキーさん。体重が約25キロもあるという大きな犬とあって、日頃から興味を示したものをすぐ手繰り寄せ、口にしようとする“食いしん坊”だそうで、この日もアイスキャンディーに釣られたタッカーは飼い主たちの目を盗み、気になった“ごちそう”を棒ごと丸飲みしてしまったようだ。そこで、マティコウスキーさんから連絡を受けた獣医が、少量のワセリンを挟んだパンを置いて「お腹の中のものを吐き出させるように」指示。すると、「奇跡的に」タッカーは棒を吐きだし、元気を取り戻したそうだ。
ところがその2日後、再び体調を崩して「吐き出しそうにしていた」というタッカー。まだアイスキャンディーを食べた影響が残っていたのか、心配した家族が吐いてもいいようにタッカーを庭へと連れ出すと、間もなくタッカーは用意した紙タオルの上に嘔吐したという。そして、マティコウスキーさんが片づけのために紙タオルに近づいた時、吐しゃ物の中に「輝いている何か」を見つけた。それは、5年前に忽然と姿を消していたダイヤモンドの結婚指輪で、思いがけぬ発見に彼女は嬉しさのあまり叫んでしまったという。
20年以上生活を共にしてきた夫との結婚指輪を失くした時、慌てて数週間も家中を探し回り、タッカーにも疑いを向けて「フンの中身をチェックした」というマティコウスキーさん。しかし、当時は全く見つけられなかったために諦め、その後新しい指輪を買ったという。それから5年も経って、タッカーの体内から突然出て来た結婚指輪。彼のレントゲン写真には「“宝物”などなかった」と断言する獣医は、指輪が5年間ずっと、タッカーの胃のどこかに隠れていたのかもしれないと推測しているそうで、それが偶然飲み込んだアイスの棒によって「かき出された可能性がある」と話している。
ともかく愛犬も元気になり、結婚指輪紛失のミステリーも解決できたマティコウスキーさんは大喜び。周りの友人たちからは「私もダイヤモンドを吐きだす犬が欲しい」とからかわれているそうだが、10歳なのに「2歳の子のように行動する」というタッカーだけに、マティコウスキーさんと家族には、また問題が起きぬように気を付けて可愛がってもらいたいところだ。