“世界一危険な遊園地”が復活、けが人や死者続出で1996年に閉園。

2014/07/02 20:13 Written by Narinari.com編集部

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6月中旬、米国でリニューアルオープンしたある遊園地が多くの人を喜ばせている。ニューヨークから北西に行った郊外にある、ニュージャージー州ヴァーノンの「アクション・パーク」。1996年に一旦歴史を閉じるまで、ここではさまざまなアトラクションでけが人が続出したほか、死者も数人出して“世界一危険な遊園地”として知られていたそうだ。そして最近、2年前に経営権を取得した以前の従業員と投資家グループが、再度「アクション・パーク」をオープン。安全対策を講じた上で以前のアトラクションもいくつか復活させる予定で、当時のスリルを懐かしむファンたちが再開を喜んでいるという。

米紙ニューヨーク・ポストやニュージャージー・スターレッジャーなどによると、アクション・パークは1978年に開園。カートのような乗り物や、ウォータースライダーといった水を使ったアトラクションなど多くのアトラクションが評判を呼び、一時は年間100万人が訪れるほど、人気の遊園地だったという。しかしその一方で、アトラクション利用中の事故が続発し、1996年に閉鎖されるまでに6人の死者も出し、いつしか「アクション・パーク」は“世界一危険な遊園地”と呼ばれるようになった。

その大きな要因となったのが、著しい安全意識の欠如。例えば、コンクリート製のスライダーをブレーキ付きのライドに乗って滑り降りていく「アルペンスライド」では、利用者を守る器具が全く装備されず、ハンドブレーキも粗悪だったために、転んでコンクリートの上に体を滑らせ、すり傷を作る人が後を絶たず、中には不幸にも体が投げ出されて頭を打ち、死亡した人もいるという。

さらに途中で1度ループがあるウォータースライダー「キャノンボール」では、ゴール地点の底が浅いプールにかなりのスピードで突っ込み、けが人が続出。歯や骨を折るだけでは済まず、ここだけで「数人が死んだ」とされている。

1980年代には、続出するけが人に対応するため地元消防局が「救急車を買って増やした」というほど、事故が相次いだ「アクション・パーク」。結局、次々と裁判が起こされた経営者は、遊園地の評判を落としただけでなく、保険詐欺まで働いて罰金を受けるなどして負債を膨らませ、1996年に遊園地の経営権を売って、「アクション・パーク」は閉園。その後、別の経営者がアトラクションを作り変え、「マウンテンクリーク」という名前のリゾート施設で最近まで営業していたそうだ。

そして2年前、以前「アクション・パーク」で従業員だったという現在の園長が、投資家グループと共に「マウンテンクリーク」の経営権を取得。準備を重ねて、今年6月14日に「アクション・パーク」の名前を復活させ、再開にこぎつけたという。

園内には、当時の「アルペンスライド」「キャノンボール」を思わせるアトラクションも復活。しかし、今度はしっかり対策が講じられてテストも繰り返し、利用者の安全を最大限確保する設計にしたそうで、園長は「当時とは全く違う世界だ」と胸を張る。

18年ぶりの「アクション・パーク」再開に、中にはけがをしたトラウマから不信の目を向ける人もいるようだが、地元では当時のスリルを懐かしむ多くのファンが喜んでいるそう。ニュージャージー州選出の上院議員までもが「また行きたい」とツイートするなど、概ね再開は好意的に捉えられているようだ。

地元では以前、夏を象徴する遊園地として人気だったという「アクション・パーク」に、今年は昔味わったスリルを再び求める人たちが大勢詰めかけるに違いない。

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