先日、多くの客で混み合う中国のレストランで“ボヤ騒ぎ”が発生した。客は次々と現場から避難したのだが、後に誰も食事代を支払わなかったことから、ちょっとした騒動に発展している。
中国紙広州日報などによると、この一件は6月下旬、広東省東莞市万江にある某五つ星ホテルの中華レストランで起きた。そのときはランチタイムで、レストランは満席状態。400人以上のお客さんが食事をしていたそうだが、突然厨房から出火があり、煙がホールに漏れたことで現場は混乱、すべての客は食事を放ってそのまま次々と避難した。
問題はその後。出火したとは言え、火はすぐに消し止められ、実際はホールどころか火元の厨房ですらたいして問題にならなかったのだが、避難した客は誰ひとりとしてレストランに戻らず。結果としてレストランは2万元(約33万円)以上の食事代の損害を被ることになってしまった。
当時現場にいたひとりの客によれば、煙を見た客の誰かが「火事だ! ガスが爆発するぞ!」と叫んだことから客があわてふためき、このような大騒動になったとのこと。レストラン従業員たちは逃げていく客に「大丈夫です」と声をかけて制止しようとしたものの食い止められず。満席のホールは2分程度で“もぬけの殻”になったという。
レストランは翌日、前日の“ボヤ騒ぎ”について謝罪する一方で、逃げ出した客たちに対しては「食事代を支払うように」と告知。また、仮に支払わない場合、監視カメラの映像を解析して追徴するとの旨もあわせて伝えたが、これが一部ネットユーザーからの批判の的となった。
ネット掲示板や微博などでは、「緊急事態だったのだから別に支払わなくていいだろう」「逃げるのは当たり前だ」と、レストランの対応を非難する声が多数寄せられている。もちろん、中には「レストランに代金を支払うべし」との意見も見られるが、状況が状況だけに比較的少数派であるようだ。