警備員がラブレター送ってクビ、「人を愛する権利は誰にでもある」と憤慨。

2014/05/18 18:10 Written by Narinari.com編集部

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中国では先日、団地の住人にラブレターを送った男性警備員が解雇される出来事が報じられ、ネットで議論を呼んでいる。

中国紙揚子晩報などによると、この一件は浙江省杭州市西湖区にある団地でのこと。2003年9月から同団地の警備員として勤務する46歳の阮さんは、独身で彼女もいない孤独な生活を送っていた。

そんな阮さんに転機が訪れたのは半月ほど前のこと。彼と仲の良い住人夫婦が「女性を紹介してあげる」と言ってきたのだ。夫婦が紹介してくれたのは、同じ団地で暮らすほぼ同年齢の独身女性。彼女のことは阮さんも知っており、何度も目撃したことがあったそうだが、いつも遠くから眺めているだけの“赤の他人”のような関係だった。

思わぬ形で紹介してもらえることになり、心躍らせた阮さんは、彼女宛のラブレターをしたためることに。それは3枚つづりの手紙で、「私は毎日あなたのことを考えています」「あなたと残りの半生を一緒に過ごせるご縁に恵まれたのならば、私は心からあなたのことを愛します」などと、ストレートに自分の感情を綴った。また、自分が好きな歌の歌詞やプロフィールを記し、最後に自分の名前と電話番号を書き添え、彼女のポストに投函することにしたそうだ。

阮さんがラブレターを書いたのは4月3日のことだが、ポストに投函したのは12日になってから。それまでなかなかアクションを起こせなかった阮さんは12日の朝、ついに彼女の家の呼び鈴を鳴らし、手紙をポストに投函したことを伝えるとともに、「もし私に興味があれば連絡をいただけますか」と勇気を振り絞って告白した。自分の気持ちは正直にすべて伝えた、あとは相手の出方を待つしかない――阮さんの心はきっと喜びと不安でいっぱいだったのではないだろうか。

しかし、その“返答”は阮さんが想像すらしていないものだった。阮さんのこの一連の行動は、相手には「セクハラ」と受け取られてしまったのだ。阮さんが玄関から離れるや否や、彼女はラブレターを読む前に不動産管理会社にクレームを入れ、阮さんは会社から「警備員として不適切な行為があった」と判断されてしまう。挙げ句に解雇通知まで受け取るハメになってしまった。

もちろん、阮さんは納得がいかない。「人を愛する権利は誰にでもあるはずです」と憤慨、解雇通知を取り下げるように会社に迫ったが、会社は会社で「警備員の仕事は住民の安全を守ること。住人の生活をかき乱すことではない」と取り合う気はなし。結局、この一件は法廷にまで持ち込まれることになってしまった。

阮さんの訴えはすでに裁判所に受理されており、現在は不動産管理会社の労働契約解除が適切であったのかどうかを判断するため、労働契約書の提出を求めている段階だというが、阮さんは「彼女は私の申し出をはっきりと断ることだってできるのに、いったいなぜこのように大事にしてしまうのでしょう……」と辛い面持ちで語ったそうだ。

なお、紹介を受けた女性がなぜそのような行動を取ったのか、詳細については、現在まで伝えられていない。

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