バスや地下鉄の“座席争い”に端を発したケンカが絶えない中国。中でも、若者が老人に席を譲らなかったために発生するケースは多い。このたび中国メディアに報じられたのは、老人に席を“奪われた”女性が飛び蹴りで反撃したという驚きの一件。現場で撮影された動画には、女性の足が老人の顔面にヒットしている様子が克明に映し出されている。

中国紙海西台海網などによると、この一件は4月下旬、福建省廈門（アモイ）市を走る公共バス614路線の中で発生した。

現場に居合わせた市民の葉さんの話では、その日の午後5時ごろ、帰宅するためにバスに乗車したところ、何やら後方で女性と老人の罵り合いが繰り広げられていたのだという。女性のほうは絶え間なく口汚い言葉で老人を罵っており、老人は老人で座席を巡って女性を責め立てている。お互いどちらも折れず、争いはエスカレート。バス車内には不穏な空気が充満していた。

するとしばらくして女性が暴挙に出る。そのとき、ふたりはひとつの窓側の座席を巡って言い争っていたのだが、女性が突然車内に備え付けられたつり革にぶら下がったかと思うと、老人に向かって飛び蹴りを喰らわせ始めたのだ。

老人はこの予想外の攻撃に防戦一方。手を使ったり、身体を後方に傾けたりして何とか攻撃を防ごうとするものの、ついに位置関係で勝る女性の蹴りをモロに顔面にくらってしまった。

「これはやり過ぎだ」とほかの乗客が老人側についたため、女性の怒りの矛先は周囲の乗客にも向くことに。バス運転手と乗客に制止されるまで、女性は大声で老人や乗客を罵り続けたそうだ。

なお、幸いにも老人には大きなケガはなかったという。