自殺志願者に救われた別の命、救助隊駆けつけたらたまたま溺れていた。

2014/04/14 20:20 Written by ナリナリ編集部

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それぞれにいろいろな事情を抱えた結果だとしても、ほとんどのケースにおいて、自殺というのは褒められる結末ではない。しかし先日、英国のテムズ川に掛かる橋から飛び降りようとした男性に限っては、救助隊に「幸運をもたらした」と言わせるほど、稀な人となったそうだ。彼がそのとき、その場所に現れたおかげで、気付かれていないところで命を落としかけていた別の男性を救えたからだという。

英紙デイリー・テレグラフやインディペンデントなどによると、この一件は3月12日午後11時頃、テムズ川に掛かるロンドン市内の橋付近で起きた。「橋から飛ぶ」と自殺をほのめかしている男性がいるとの通報を受け、水難救助を扱うRNLI(英王立救命艇協会)の救助隊が現場に急行。踏みとどまるように男性の説得に当たる一方で、万が一の事態にも迅速な対応が取れるように船を出して備えていた。

ところが現場に到着した隊員たちは、橋の上にいる男性とは別に、船の近くで溺れていたもう1人の男性を発見。着ていた服の重みで「水面に顔を出すのも苦労していた」というこの33歳男性の一大事に関しては、現場付近を航行する船も「全くなかった」とあって、救命艇が現場に到着するまで誰にも気づかれていなかったという。

すぐに救助したところ、申し訳なさそうな態度を見せた男性だったが、低体温症に陥っていた影響もあってか、身元や溺れた原因などについては混乱した様子で本人も「よく分かっていなかった」そうだ。

一方、本来の案件だった自殺志願者への対応も並行して行い、その後説得に成功して「安全に助け出した」という救助隊。今回の案件を振り返り、関係者は2人の命を救えたのは「信じられないほど幸運だった」と話す。溺れていた男性の経緯については不明ながらも、もしも自殺を試みようとした男性がちょっとでも違うタイミングで現れたならば、川の中の男性は「決して助け出されなかった」とし、2人同時に対応する事態になったのは「変わった運命のいたずら」と例えた。

そして、低体温症に陥っていた男性も救急センターで特にけがもなく無事を確認。2人の案件は一件落着となった。

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