盗んだ本人でさえ、そんな展開になるなんて想像すらしていなかったに違いない。中国で先日、小麦粉1袋を盗んだ男が、直後に30人以上の“警官”に追跡されるという珍しい出来事があった。
中国メディア安徽網などによれば、この一件は新疆ウイグル自治区の石河子市でのこと。ある男が団地の建物の地下に盗みに入ったところを女性2人が発見。焦った男は、盗んだばかりの小麦粉1袋を投げ捨て、そのまま全力疾走で逃げ出した。
女性たちは「泥棒! 泥棒を捕まえて!」と大声で叫びながら後から追いかける。とは言え、相手は女性。追っ手が女性のみであれば、男の脚力ならば難なく逃げ延びることができたかもしれない。しかし、この日は運が悪かった。現場近くでは30人以上の特警(中国の特殊警察)が棍術の訓練に励んでおり、「泥棒!」の声を聞きつけた教官の命令で全特警が出動。男を猛追し始めたのだ。
それからわずか30秒。男は3人の特警に押し倒され、あえなく御用となった。手柄をあげた特警たちは、毎日のランニングトレーニングで上位に入る“強者”たちだったという。
男は逮捕後、「昔、窃盗したときに警官に捕まったことがありますが、今回はこんなに多くの警官に追いかけられて驚きました」と漏らしたという。