妻の名前を35年間も“勘違い”、離婚訴訟時の名前欄を見て発覚。

2014/03/28 19:41 Written by Narinari.com編集部

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多くの人にとって、家族はかけがえのない存在。それゆえにお互いのことをよく知っていることが当然とも思えるが、中国ではこのたび、長年連れ添ってきた妻の名前を勘違いしていた男性の話が報じられた。結婚時に間違えて憶えてしまったことから、以来35年間“そのままの状態”だったという。

中国メディア錢報網などによると、浙江省寧波市で暮らす黄さんは先日、長年連れ添って来た妻の態度に嫌気がさし、ついに離婚裁判を起こす決意をした。黄さんと妻の李さんは結婚生活35年、年齢はともに60歳を超えており、いわゆる“熟年離婚”というやつだ。

ふたりの仲が収拾不可能に陥ったのは3月初めのこと。黄さんは昔から友だちと集まって遊ぶのが好きで、李さんは前々から不満を口にしていたそうだが、その日も黄さんの帰りが遅くなり、帰宅後に夫婦喧嘩が勃発。李さんが「あなたは家事もせず、いつも外で遊んでばかり。昔は仕事を理由に家を留守にし、今は遊びで家にいない」と非難すれば、黄さんは黄さんで「誰がこの家の主だと思っているんだ。男であれば、そうした友だち同士の集まりに参加することは当然じゃないか」と応酬。ふたりの間に険悪なムードが流れた。

夫婦であればこうした争いはよくあることだと思われるが、この時は違った。堪忍袋の緒が切れた黄さんが離婚裁判の手続きをとり始めたのだ。黄さんは司法官に「妻は性格が強くて、いつも私が悪いと罵る。小さなことでも私に勝たないと我慢できない。こんな年齢になっても私の生活は重苦しい」と訴え、妻に反省させるためにも離婚裁判を起こすと息巻いたのだという。

しかしその後、黄さんにどんでん返しが待ち構えていた。と言うのも、起訴状の李さんの名前が間違って記されていたのだ。司法官が起訴状を持って李さんのもとを訪れたところ、目を通すや否や怒り爆発。「ここに書かれている人は私じゃないわよ!」と怒鳴り、自分の身分証を取り出して司法官に見せ、「その(間違って)記されている人を探してください!」と、起訴状の受け取りを拒絶した。

こうなるとバツが悪くなるのは黄さんだ。司法官から起訴状に記されている李さんの名前が間違っていることを知らされると、「結婚時に妻がこう書いたのを憶えていたんです。多分、あの時に間違えて憶えてしまったのが原因で、(間違えている)ふたつの字は見た目が似ているし、それに寧波の方言では発音も似ている。以来、私はそのままで、妻も特に何も言わなかったものですから……」と釈明。最終的に黄さんは自分の過ちを反省し、訴訟を取り下げることにした。

35年間、夫が妻の名前を間違えていたこと自体は信じられないことだが、そのことで今回の危機を乗り越えたのも事実。ふたりにとっては良かったのかもしれない。

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