入院の母へ14歳“雪のエール”、病院中が励まされた巨大メッセージ。

2014/03/04 19:07 Written by Narinari.com編集部

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突然自分が深刻な病気に侵されたとなれば、誰だって心が沈んでしまうものだが、「病は気から」という言葉もあるように、前向きな気持ちを持つことは大切だ。先日、急性白血病と診断され入院生活を始めたばかりの米国のある女性は、体調不良も手伝って気持ちがひどく落ち込んでいた。しかしそんなとき、彼女は今まであまり気遣いを見せてくれたこともなかった14歳の息子から、とても大きな“雪の応援メッセージ”を受け取り、彼女に心強さを与えただけでなく、病院中の人が目にして感動に包まれたそうだ。

米紙シカゴ・トリビューンやシカゴ・サンタイムズなどによると、嬉しい応援メッセージを受け取ったのは、イリノイ州シカゴにあるラッシュ大学医療センターで入院生活を送る48歳の女性、シャロン・ハートさん。彼女は2月3日に急性白血病との診断を受けて入院し、すぐに始まった化学療法は体に大きな負担を与え、心身ともに優れない状態に陥っていた。そうした中で迎えた最初の土曜日。彼女のもとに夫や親族と共にやって来た14歳の息子ウィリアムくんは、弱々しくなった母の姿を見て元気づけたいと考えたという。

そこで彼が目を付けたのは、母の病室から見えた病院駐車場の屋上。新雪が積もった白い“キャンバス”を見つけた彼は、父や叔父と数時間母を見舞った後、隣にある駐車場の屋上へと向かい、足を使って母への応援メッセージを作り始めたという。そして「毎晩、母の体調が良くなるように祈っていた」心優しい息子らは、駐車場の屋上いっぱいに浮かび上がる「HI MOM GOD-BLESS U」とのメッセージを完成。すぐさま母の病室に電話をかけ、「窓の外を見て」と働きかけた。

息子からの連絡を受け、看護師の助けを借りてベッドから起き、雪に書かれた息子からのメッセージを受け取った母。「息子がこんなことをしてくれたのは初めて」と話す母は、体を使って示してくれた彼の想いに大きな喜びを感じたといい、駐車場屋上にいる息子たちに手を振りキスを送り、「少し泣いてしまった」そうだ。しかし彼らのメッセージに励まされたのは、母だけに留まらなかったという。

実はメッセージを制作している時点から、彼らが何をしているか気付いていた病院関係者や患者の家族がいたとのこと。一方のウィリアムくんらも、病院から見ている人がいることに気が付いていて、当初は「母のために」とメッセージを作っていたが、途中からは病院にいる全ての患者や家族にも「見て欲しい」と思いながら作り進めていた。そして、寒い中での作業も「気にならなかった」ほど夢中で作った彼のメッセージは病院も飛び出し、ネット上に広まっていく。

メッセージ完成から間もなく、病棟の窓という窓には話を聞いた関係者や患者、その家族らが大勢集合。誰もが大きな雪の応援メッセージを「素晴らしい」と感動し、関係者や家族の間でソーシャルメディア上に写真を投稿する人が相次ぎ、彼の思いは多くの人へと紹介されたという。

病院には全米各地から写真を「見た」との連絡も届いているとされ、彼のメッセージは「みんなを気持ち良くさせてくれた」と称賛するのは関係者の1人。残念ながら雪のメッセージは2日後には溶けて消えてしまったが、少なくともシャロンさんが息子の優しさに触れ、これからの大きな励みを得られたのは間違いないようだ。

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