松任谷正隆初の“表舞台”喜ぶ、プロデューサーに贈られる渡辺晋賞受賞。

2014/03/03 03:55 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


歌手・松任谷由実の夫で、音楽プロデューサーの松任谷正隆さんが「第9回 渡辺晋賞」を受賞し、3月2日に都内で行われた授賞式で喜びを語った。

松任谷さんはバンド「キャラメル・ママ」や「ティン・パン・アレイ」で自らの音楽活動の中で、楽曲をアレンジする上でハーモニーにオンコード(分数コード)を導入、日本のポップスに大きな変化をもたらした。また、音楽プロデューサーとして昭和から平成にかけ“ユーミン・ブランド”を創造。日本の音楽シーンをけん引し、さらには、音楽界を目指す若者の育成にも力を注ぐなど、広範囲にわたる活動がたたえられての授賞となった。

授賞式で松任谷さんはまず、「僕の一世一代の舞台にお集まりいただいてありがとうございます。こういった賞を受賞するのは初めてで、よく考えたら自分が表舞台、晴れ舞台に立つのは初めてだということに気づきました。本当に光栄です」と、喜びのコメント。

「昨日(去年の受賞者の)三谷さんの授賞式のビデオを一生懸命見て研究して、あれよりいいことをやってやろうと思ったんですが、さすがに壇上に来たら、飛びました。よく考えたら自分がこういう表舞台、晴れ舞台に立つのは初めてだということに気づきました。スタートはうちの弟をそそのかして、『お前ならアメリカでバンジョーで一番になれる』と行かせて、コンテスト優勝させた、というのからプロデュースが始まりました。表舞台に立つのが嫌で、裏で糸を引く『なっとうや』と言われるようなスタートから始まりました。バンドをやっても常に裏方でやってきて。でも、人間の本心としてたまには表舞台に立ってみたい、というのもあったので、とてもうれしいです」と音楽活動が始めたころを振り返った。

続いて、そこからは「無知を武器にがんばりました。無知はエネルギーですので。で、わけがわからないことを延々とやっているうちに40年くらい経って。あれ?と思ったのは、クレイジーキャッツと(松任谷)由美さんのコラボレーションをやらせていただいたときですね。こういうことをいうと恐縮ですが、自分が音楽業界に家族のように迎えられた、そんな気持ちがします。本当に今日は一世一代の日で、うちのカミさんにも見せてやりたいです。今日はツアーなのでしょうがないんですが。本当に幸せです、ありがとうございました」と笑顔で挨拶した。

また今回、もらったトロフィーについて報道陣に質問されると、「奥さんのほうは今までにたくさんもらってるので、奥さんのトロフィーと自分のトロフィーが比べられます。家に帰ったら、飾りたいと思います」とニッコリ。

また、昨年授賞した脚本家・三谷幸喜から「松任谷さんとは縁がありまして。『音楽劇サザエさん』というものをやったときに、脚本と作詞が私で、音楽全般を松任谷さんが担当して。それまでに詞を書いたことがなかったので不安でしょうがなかったので、書いた詞を松任谷さんに見せたんですよ。そうしたら『とてつもない作詞家が現れた!』と褒めてくれたんですね。名プロデューサーは褒めるのも上手いな、と感じました」と松任谷さんの人柄が感じられるエピソードを披露した。

続いて、松任谷さんが楽曲プロデュースをした縁で親好の深い女優の木村佳乃から花束贈呈と「松任谷さんには音楽活動をしている時に本当にお世話になって。ロスにボイストレーニングに連れて行っていただいたり、グラミー賞にご一緒させて頂いたり。あと、おばあちゃんっ子だった私の祖母がなくなったときに、ララバイ・フォー・グランドマザーという曲を作ってもらいました。由実さんが詞を書いてくれて。今でも私の宝物です。ご無沙汰だったのですが、本当におめでとうございます」とお祝いのメッセージが送られた。

「渡辺晋賞」は、2005年に渡辺プロダクション創業50周年にあたり、エンターテインメント業界における新しい感性のプロデューサーを顕彰し、大衆文化のさらなる発展向上を目的とするプロデューサー賞として創設。毎年3月2日、渡辺晋の誕生日に「渡辺晋賞授賞式」を執り行い、大衆性、将来性を兼ね備えた独創的なソフト(作品、アーチスト)を生み出し、また、才能ある人材を登用、組織し新しいビジネスモデルを構築し、大衆文化の発展に多大の貢献をしたエンターテイメント業界のプロデューサーを選考対象として、年1回、賞が贈られる。

過去の受賞者は亀山千広、鈴木敏夫、本多一夫、松浦勝人、秋元康、三枝成彰、大里洋吉、三谷幸喜。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.