“瀕死の子犬に授乳”論議呼ぶ、死なせるのは「耐えられなかった」。

2014/02/13 16:27 Written by Narinari.com編集部

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先日、生まれたばかりで捨てられていた5匹の子犬を見つけ、引き取ったという米国のある女性は、動きが鈍く何も口にしない1匹に不安を覚え、自身の胸にあてがい、直接母乳を子犬に与えた。結果、子犬は元気になったものの、女性がそのときの写真をFacebookで紹介したところネットで広まり、彼女の対応に疑問を呈する声が多く挙がることになったという。

米放送局ABC系列KRDO-TVや米紙ニューヨーク・デイリーニュースなどによると、議論を巻き起こしているのは、コロラド州コロラドスプリングスで暮らす女性。彼女は先日、母犬が死に捨てられていたとされる、生後間もないラブラドール・ミックスの子犬5匹を見つけ、引き取って世話をし始めたという。ところが、そのうちの1匹は哺乳瓶や子犬用のドッグフードを与えても口に入れようとせず、動けないくらい弱っていたそうだ。

見たところ、この子犬の命が1時間も持たないように感じたという女性。何もせずに死なせるのは「耐えられなかった」と話す彼女は、不安が膨らんでとても混乱したと振り返る。

そのとき、現在1歳3か月の女の子を育てる母でもある彼女は「最後の手段」を思いついた。それは彼女自身も当初は“まさか”と思った、子犬に直接自分の母乳を与える行動。彼女は子犬と自分の子どもを重ね合わせ、生まれて間もなくして死にそうな子犬を助けたいとする“母性本能”が働き始め、とっさに胸へあてがったという。

この一連の出来事は、子犬に授乳している写真も添えて、自身のFacebookで紹介。すると、写真を見た人によって広められたのをきっかけに、彼女の行動は米国のネットユーザーの間で大きな論議を呼ぶことになった。

その多くは、動物に異変が起きたなら速やかに獣医へ連れて行くべきといった批判のようで、乳首を介して子どもに病気がうつる心配や、栄養学的にも、子犬に直接人間の母乳を与えるのは適切ではないとの見解を示している。

これに対し、市民からの反発を恐れ、匿名を条件にメディアの取材に応じた女性は、「私は正しいことをした」と反論。子犬が元気になったのも、自分が母乳を与えたからと主張し、1歳3か月の娘は離乳させたとして、娘への病気についても心配はしていないと話している。彼女の耳にも、これまでに多くの批判は届いているようだが、子犬が回復するという自分が望んだ結果を得られた今、これらの批判を受け入れるつもりはないようだ。

気になる子犬のほうはというと、すっかり元気を取り戻して成長を見せているとされ、すでに母乳は与えられておらず、今後ほかの4頭と共に新たな家探しが始められるまで、違う家庭で世話が続けられるとのこと。

獣医の一人はメディアに対し、もしもこの女性と同じような状況になったときは、迅速に動物病院へ運び、元気にさせたいのなら母乳ではなく、栄養成分がしっかり配合されている子犬用のドッグフードを与えるのが重要だとアドバイスしている。

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