盗んだバッグの中に赤ちゃん、「彼が救った」と警察が泥棒を称賛。

2014/02/10 15:48 Written by Narinari.com編集部

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どのような事情があっても、罪を犯す行為は人としてやってはいけないこと。しかし先日、インドで物を盗んだにも関わらず、警察から称賛されたという珍しい男が現れた。貴重品を狙っていた男が、列車内に置かれていたリュックサックに手を伸ばしたところ、中には生まれたばかりの赤ちゃんがいたそうで、警察は男が見つけなければ赤ちゃんが間もなく死んでいたとして、称賛したという。

インド誌インディア・トゥデイやインド紙ミッド・デイなどによると、赤ちゃんが助かった事件の発端は、1月27日午後3時45分頃、ムンバイ市内を走っていた列車の中で起きた。女性用の客室内でマニキュアを売っていた20歳の男は、食べ物を買うお金にも困るほどの窮状から、乗った電車内でお金や貴重品を狙ってバッグを盗もうと考えていたという。そして駅に着いたタイミングで、男は電車の床に置かれていた1つのリュックを盗み出して下車。すぐに中身を確認してみたところ、その中には生後15日ほどと見られる赤ちゃんがいた。

思いもよらなかった中身を知り、「うろたえた」という男。そして「トラブルを避けたい」と思った彼は、リュックをそのままに、慌ててその場から逃げ出したそうだ。ところが、急に1人走り出した姿を見つけて不審に思った駅員が追いかけてきて、すぐに捕捉。異変に気付いた群衆が興奮して取り囲む中、彼は必死に自分の立場を説明していたというものの、「赤ちゃんを捨てるつもりだった」とされた男は周りの追及をかわしきれず、間もなく駆け付けた警察官に連行された。

当初、警察も男と赤ちゃんに関係性があり、彼が捨てようとして犯行に及んだとみて捜査。しかし、捜査を進めていくうちに男は赤ちゃんと全くの他人だと分かり、彼の供述は間違いないと判断した警察は、翌日にも釈放したそうだ。そして、もしもリュックの中身を誰も気づかないままでいたなら、赤ちゃんは中で窒息して「死んでいた」として、警察は男が赤ちゃんを救ったと称賛までしたという。

幸い、病院へと運ばれた赤ちゃんは検査を受けて「健康」と判明。現在は養護施設で過ごしているそうで、報道をきっかけに赤ちゃんを養子にしたいとするカップルからの連絡も殺到しているという。ただ、依然捜査を続けている警察は、駅などの監視カメラの映像からリュックサックを置き去った人物の特定を進めて、まず両親の特定が先との方針を示しており、赤ちゃんが誰かに引き取られるかどうかの決定はそれからになる模様だ。

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