信念で60年間体を洗わない男、「清潔にすると病気に」と孤独な生活。

2014/01/17 15:14 Written by Narinari.com編集部

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人でも物でも、いまは何かと清潔さが求められる時代。しかしイランには、そんな世界とは全く反対の信念を持って生活をしている、80歳の男性がいるという。彼は「清潔にすると病気になる」と信じていて、少なくともこの60年間は全く体を洗っていないと主張。人里離れた荒野で孤独な生活を送り続けて来たそうだ。

イラン紙テヘラン・タイムズや英紙デイリー・ミラーなどによると、この男性は、イラン南部ファールス州の村で暮らしているというアモウ・ハジさん。彼が現在の生活を送り始めたのは、若かりしき頃に恋をした女性に振られたことがきっかけで、深く傷ついた彼は「孤独な人生を送りたい」と砂漠地帯の荒野へ逃れ、社会と隔絶した生活を始めたという。それから「清潔さは病気をもたらす」との信念まで芽生えた彼は一切体を洗わない生活を開始し、60年経った今も継続中。この話が本当ならば、今までインドの66歳男性が最長とされている「風呂に入らない生活」の最高記録38年間を、大幅に超えていることになる。

さらに、彼の信念はライフスタイルにも貫かれている。住居は、荒野に点在する「墓のように」地面に掘られた穴の中。食事はヤマアラシなど死んだ動物の腐った肉だけを食べ、錆びたオイル缶に溜まった雨水を飲んでいるという。仮に衛生的に問題ない飲食物を差し出されようものなら、「狂ったように」拒否して食べないといい、大好きなタバコがない時は、動物のフンが詰まった水道管をパイプ代わりにして吸っているそうだ。

そんな生活を続けるハジさんに、近くの村に住む住民たちの中には気遣って手助けをしてくれる人もいる様子。冬場の寒さの厳しい時には、住民たちが彼のために建てたレンガ小屋に避難することもあるそうで、ハジさんも多少はその恩恵に預かっているようだ。ただ、村の若者たちが「シャワーを使って欲しい」と訪ねて来た時は、病気になってしまうとハジさんが逃走。住民たちの好意と言えども、自分の信念を曲げるような行動は受け入れない頑固さがある。

そして、鏡を使って身だしなみを整える時もあると話すハジさん。一般的な感覚からすれば、60年間洗っていないという彼の黒ずんだ肌を見るだけで抵抗を感じる人もいるかもしれないが、それでも彼自身は、所有物もなく信念を貫いている今の生活に幸せを感じているそうだ。

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