12月13日より公開され、興行収入20億円を突破した映画「ゼロ・グラビティ」。地球の上空60万メートルに無限に広がる生存率0%の宇宙の無重力空間=ゼロ・グラビティを舞台に、突如放り出されてしまった人間に襲いかかる究極の絶望と、その中で生を渇望する強きヒロインの全身を貫くような感動のドラマを描き出した本作だが、このたび監督のアルフォンソ・キュアロンが仕掛けたマジックが初公開された(//www.youtube.com/watch?v=xzhNHAAMELM)。
今回公開されたのはメイキング映像で、その中では4年半もの歳月をかけて創り上げられた、驚きの撮影方法が明かされている。
例えば宇宙空間での光を完全再現するために、撮影監督のエマニュエル・ルベツキと特殊効果チームは“ライトボックス”と名付けた特殊装置を開発した。高さ6メートル×幅3メートルの箱形壁面に4,096個のLEDライトを取り付け、地球の反射や太陽、恒星など、あらゆる角度からの光源を創り出せる装置だ。
また、無重力状態を作り出すため、俳優を吊るす12本のワイヤー装置を開発。高速で動く操り人形のような仕組みになっており、さまざまな角度から撮影できるように、ロボットアームを応用して作られた小型カメラで縦横無尽に撮影された。
さらに劇中のスペース・シャトル、国際宇宙ステーションの外観・内部はほぼCGで作られたバーチャルセット。船内外作業用の小道具からボトル1本に至るまで、NASAからの提供資料をもとに完全に再現、金属の腐敗具合まで細部にもこだわった。宇宙服もCGで、世界中の宇宙飛行士たちの間では、皆その出来映えに称賛を贈っている。
そして「この映画ではカメラが常に動いている。カメラが上下左右に。留まることはない。だから音楽と音響効果も“動かす”ことにしたんだ」と仰天発言も。音まで動かし、360度縦横無尽に迫りくる体感型アトラクションを作り上げたことを明かしている。
「どう撮っているのか、分からなかった」「宇宙でロケ撮影したとしか考えられない」などの声も聞かれる、驚愕の宇宙映像がどのように撮影されたのか、その秘密の一端が垣間見られる今回の映像は必見だ。