従業員治療費のため店を売却、脳腫瘍の19歳支えるオーナーが話題に。

2014/01/11 15:50 Written by Narinari.com編集部

このエントリーをはてなブックマークに追加


病院で脳腫瘍と診断されたものの、医療保険に加入しておらず、治療費を払うことができない――。そんな悩みを抱える従業員を放っておけないと、立ち上がったレストランのオーナーが話題を呼んでいます。

米紙ザ・クーリエーなどによると、テキサス州モントゴメリー郡に住む19歳のブリトニー・マティースさんは、昨年暮れに頭痛、視覚異常、めまいなどの症状を訴え、近くの救急病院を訪れました。そして、病院でさらに手足の血栓、急激な上昇下降を繰り返す血圧など、いろいろな問題が見つかったのです。

そのまま入院となったブリトニーさんは、3日後、「脳に、ピンポンボールほどの大きさの腫瘍がある」と医師から告げられます。まだ数年は症状の悪化はみられないだろう、と言われたものの、悪性か良性か、実際にどのような腫瘍なのかも詳しいことはその時点では分からず、不安は募るばかり。にも関わらず、「(担当医は)専門医への紹介状も書いてくれなかった」と、ブリトニーさんの母は、そのときに感じた絶望を語ります。「きっと医療保険がないので、支払いも出来ないだろうと、医師たちは私たちを突き放したんだと思います」。

実はブリトニーさんの父親も2000年に、同じような病気で33歳の若さで亡くなっていました。ブリトニーさんは病院から退院後、自力でいろいろな脳神経外科を探してみたものの、結果はなしのつぶて。このままでは、父親のように若くして死んでしまうのだろうか、彼女はさらに絶望してしまったのです。

そんなとき、ブリトニーさんに助け舟を出すべく、立ち上がった男性がいました。彼女は、地元にあるドイツ料理レストラン「カイザーホッフ・レストラン・アンド・ブンダヴァー」でウェイトレスをしていますが、このレストランでは、ブリトニーさんだけでなく、母と姉も長年働いており、オーナーのマイケル・ディ・ベイヤーさんはマティース家にとって「父親のような存在」だったとのこと。マイケルさん自身も、ブリトニーさんの置かれた状況を黙って見ているわけにはいかない、と強く感じていました。

マイケルさんは、以前からレストランの売却を考えていましたが、その売却で得たお金をブリトニーさんに手渡そうと決意。まだ現時点では買い手が見つかってはいませんが、「希望価格ではなく、売却益が減ってしまってもかまいません」と、出来るだけ早く治療費が手に入るよう願っています。

マイケルさんの決心に最初はとても驚いたというブリトニーさんと家族ですが、「マイケルは、今までにもいろいろな状況に陥ったときに私たちを助けてくれた」と、彼の決意が本気であることを分かっており、感謝の気持ちで一杯なのだそうです。

TOPへ戻る
このエントリーをはてなブックマークに追加

Copyright © Narinari.com. All rights reserved.