竜巻直撃も助かった奇跡の犬、飼い主は“死”覚悟も再会に大喜び。

2013/11/29 21:01 Written by Narinari.com編集部

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11月17日、米国中西部一帯では60個以上とされる大規模な竜巻が発生。死傷者の数は数十人と報告され、イリノイ州を中心に、今後の生活にも深刻な影響をもたらす被害を受けた住民が数多くいる。その1人となった同州の男性は、竜巻の直撃を受けて家が全壊する大きな被害は受けたものの、子ども4人と共に命は助かった。そして、この男性宅ではもう1つの“不幸中の幸い”と言うべき喜ばしい奇跡があり、米テレビ局で報じられたことをきっかけに、全米で大きな注目を集めたそうだ。

米専門テレビ局ウェザー・チャンネルや米紙シカゴ・トリビューンなどによると、この男性はイリノイ州ワシントンに住む37歳のジョン・バイラー・ダンさん。その日、彼は8歳から1歳半までの子ども4人と自宅にいたところ、竜巻の被害に巻き込まれてしまった。その直前、危険を察知した彼は子どもたちを集めて地下の洗面所へ誘導する一方で、もう1頭の“家族”を呼ぶために家の外へ。生後4か月の時から飼い始め、現在11歳になっているメスの愛犬マギーを助けに向かったのだ。

ところが尋常ではない異変に怯え、飼い主の言うことを聞こうとしなかったマギー。犬小屋から出るのを嫌い、抱き上げようとする飼い主の腕も噛んだり引っ掻いたりして抵抗したため、自分の身を守るためにも彼は諦めて地下へと慌てて引き返し、マギーをそのまま犬小屋に残してしまった。そして、竜巻は彼らの自宅を直撃。数分後に無事を確認し合った家族が晴れ渡った空の下へ出てみると、ついさっきまであった我が家は全壊していた。

仕事に出て無事だった妻へすぐに連絡を取りながら、「マギーは死んだ」と思ったというバイラー・ダンさん。車まで乗り上げてガレキの山と化した我が家からはもちろん、「数百もの家が無くなった」自宅周辺からも愛犬の気配は感じられず、「大きな罪の意識を感じた」彼はパニックに陥ったという。その後、彼は子どもたちを連れて同じワシントンにある親類宅へと避難。翌日、被害状況を改めて確かめるため、妻や友人たちと一緒に自宅へと向かった。

すると惨状を調べていた最中、友人の1人が「どこからかかすかな鳴き声が聞こえる」と報告。聞こえてくる場所を突き止め、大人5人が必死になって重いコンクリート板なども持ち上げながらガレキを掘り返していくと、その下からカーペットにくるまるようにして生き延びていたマギーを見つけたという。竜巻被害を受けて、この時すでに30時間が経過。大きな傷もなく、比較的元気そうに見えたという愛犬との再会にバイラー・ダンさんは男泣きをしたそうで、その喜びっぷりは救出直後に撮影した写真を投稿しているFacebookからも窺える。

マギー救出の瞬間前後の様子は、現地の取材を行っていた大学教授によってウェザー・チャンネルで紹介され、バイラー・ダンさんとマギーは米国で一躍注目の存在に。また、その後運ばれた動物病院で検査を受けたマギーに、脱水症状や腰の骨の脱臼などが判明したと伝わると、米ソーシャルサイト「Reddit」でマギーの治療費を集めようと呼び掛けるユーザーが現れ、動物病院に少なくとも「4,000ドル(約40万円)」もの寄付金が寄せられたそうだ。

「私たち家族が受けた多くのサポートは信じられないほどだ」と驚いたというバイラー・ダンさん。米国だけでなく、世界からも寄せられている応援の声に彼は感謝を示しているといい、マギーの治療を終えて残った寄付金は、竜巻の被害を受けた他の動物たちの治療費へ充てられるという。

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