失意の少年に高校生救いの手、2か月で2度もお気に入り自転車盗難。

2013/11/14 13:45 Written by Narinari.com編集部

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米国のある小学生は、しっかりロックを掛けていたにも関わらず、2か月で2度も、しかも安全と思われていた学校で、乗っていた高価なマウンテンバイクを盗まれる不幸な目に遭った。自分の宝物を立て続けに奪われた彼の失意は想像に難くないが、そんな彼に思わぬ人たちから救いの手が差しのべられ、少年は笑顔を取り戻したそうだ。

米放送局ABC系列KFSN-TVによると、自転車を2度盗まれる被害に遭ったのは、カリフォルニア州フレズノにある小学校に通う9歳の男の子、アティッカス・センくん。家族がみんな“趣味:自転車”というだけに、彼は小学生にはやや高価な250ドル(約2万5,000円)のマウンテンバイクに乗っていた。そして今年9月、週末の夜に開かれたイベントへ弟と出かけた時に、ワイヤーロックも使って学校に停めておいたところ、翌朝弟の自転車共々盗まれていることに気付いたという。

大切な自転車を失って悲しむ息子を思い、両親は新たに300ドル(約3万円)のマウンテンバイクを購入。今度は簡単に盗まれないように用心はしていただろうが、ショックも冷めやらぬ約1か月後、再び彼は被害に遭ってしまった。10月10日、授業を終えた彼が帰宅しようと学校内に停めておいた自転車の元へ行くと、ワイヤーロックを切られて再び盗まれていたという。

学校関係者によると、彼の通う小学校では物が無くなったり、何かが破壊されるといったことは普段全くなく「信じられないほど安全な校内」を保っているとされ、高価で目立っていたのかもしれないが、2か月間に2度も自転車の窃盗事件が校内で起きたのは、極めてまれな事態なのだそうだ。

買ってもらったばかりの2台目までも失ってしまい、この時は家へ帰るなり母親へ泣きついたというアティッカスくん。ところがそんな失意に暮れた彼に、その後、思わぬ人たちが手を差し伸べる。

2度目の被害直後、地元メディアのKFSN-TVが、警察も治安が良いと認める地域で2度も自転車を盗まれたこの事件を紹介し、フレズノ周辺でも彼の話は知られるようになった。すると、話を知ったフレズノの高校に通う学生たちが、アティッカスくんを助けたいと校内で募金活動を開始。彼らは2週間弱で360ドル(約3万6,000円)を集めると、盗まれた2台目と同じマウンテンバイクを買って、10月24日に彼の通う小学校を訪れたという。

教室での授業中に高校生たちから新しい自転車を受け取ったアティッカスくんは、周りの目も気にせずに「叫んでしまった」と大喜び。彼の父ジェレミーさんも予想外の善意に驚き、高校生たちの行動が「感動的だった」と話しているという。

「本当に幸せ」と彼らの優しい心にも触れたアティッカスくんと両親は、その嬉しい気持ちを「他の人にも分けてあげたい」と、その後3台目を買うのに用意していたお金を慈善団体に寄付しようと決め、自転車を持っていない周辺の子どもたちのために使ってもらいたいと考えているそうだ。

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