BPO放送倫理・番組向上機構の青少年委員会は10月22日、フジテレビ系で8月3日に放送された「FNS27時間テレビ女子力全開2013」のコーナー、「生爆烈お父さん27時間テレビスペシャル!!」で、お笑いタレントの加藤浩次（44歳）がAKB48の渡辺麻友（19歳）に対して取った行為について見解を公表した。

これは、編集の効かない生放送の中で、加藤が渡辺の両足を持って振り回すプロレス技をかけた後、頭を踏んだり蹴ったりしたことを問題と感じた視聴者から、「バラエティーの度を越している」「暴力行為であり不快」といったクレームがBPOに寄せられていたもの。

それを受け、BPOは番組を視聴した上でフジテレビに報告書を求め、その後、制作担当者らとの意見交換を行って審議。今回「委員会の考え」としてまとめた。

問題となっている「出演者の身体に加えられる暴力や危険行為」について、フジテレビは「安全面に十分配慮している」「出演者同士が役割を理解している」「爆烈お父さんはドキュメンタリーではありません。お茶の間プロレスコントです」と説明。

しかし、BPOには視聴者から、人の頭を踏みつけるシーンや顔に向け足を上げるシーン、顔をいじるシーンなどに対して多くのクレームが寄せられており、「（視聴者は）ジャイアントスイング前後のシーンに、これが当然でおもしろいと感じる文脈を見つけられませんでした」とした上で、BPOは「爆烈お父さん、女性芸人、女性アイドルグループの三つ巴の面白さになっていない」「人間の顔を足で踏むことは人間の尊厳に関わる行為で、さらに不快感を増大させたと思われます」と断じた。

そして「視聴者の多くは『人間の尊厳に背くような行為をあえてして、それで笑いを取るという形でしかバラエティー番組を作ることができなくなっているのか』という落胆とさげすみのような感情を抱いたことに、局は想像力を働かせてほしいと願います」と要請している。