あまちゃん組2人のイメージ崩壊、女王様の片桐「海女のスーツと似て…」。

2013/09/25 03:06 Written by Narinari.com編集部

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9月24日、東京・新宿ミラノ座1にて、松本人志監督最新作「R100」の完成披露試写会が開催。松本監督をはじめ、大森南朋、大地真央、寺島しのぶ、片桐はいり、冨永愛、佐藤江梨子、前田吟、YOU、西本晴紀、松尾スズキ、渡部篤郎が登壇した。

主演を務めた大森は「こんなにすごい規模だとは思ってなかったんでビックリしてます」と会場を見渡しながら、「『R100』は松本監督の頭の中で、その中に片山という人間を住まわせることに一生懸命演じました。みなさんがいまから僕のあられもない姿を観るかと思うと……心が痛むのですが(笑)。ひとまず楽しんでいただければ嬉しいです」と挨拶。“あられもない部分”について、オファーの段階で「60%くらいの脚本を読ませていただいていたので、承知の上で引き受けました」と答えると、すかさず松本監督が「7割ですかね」とコメント。残りの3割は現場で伝えられたそうで、「若干の躊躇は撮影前日まであったんですけど、なんとか乗り越えました」と振り返った。

女王様役を演じた大地は作品を観て「とにかくいろんな意味で面白い映画だなと思いました」とニッコリ。「新しい、それでいて懐かしさも感じたりする作品で。私としては挑戦させていただいたんですけど、“やらされた”というより“やってしまった”という感じ。この作品に参加できてとても嬉しいです。みなさんの反応が早く訊きたいです」と、これから観る人たちへメッセージを贈った。

同じく、女王様役を演じた寺島は「台本を読んだときは、正直言ってなんにもわからなかったんです。けれど、みなさんの力で計り知れない映画になっていると思います」と挨拶。作中でボンテージ姿を披露している寺島、本試写会には、松本監督の大ファンだという夫が来場しているそうで、「観終わって家へ帰って、(夫に)やってくれって言われたらどうしよう。どういう感想を持つのかなって」とためらいがちに話すと、「寺島さん、現場で鞭をしばらく離さなかったですもんね。何個かなくなったとの噂も聞きましたよ〜」と敢えて茶化す松本監督。初めて一緒に仕事をしたという2人だが、「勝負しているような現場というか。自分の力量がどこまで通じるのかと、久しぶりにブルブルした現場でした」と話す寺島だった。

謎の男・岸谷を演じた渡部は「一言で言うと? 大森がまあまあって感じかな。うそうそ(笑)」と語り、監督から「どうしたんですか?」とツッコまれる。そんな渡部の役柄について、「この映画でいちばんおいしい役」と監督。オファーの経緯については「やってくれるかなぁと思って声をかけたら、ほんまに出てもらえたので、スタッフ全員、ビックリした」と振り返った。

「あらゆる意味で、危険な映画だなと思いました」と切り出したのは、支配人を演じた松尾。「観ている人の価値観を揺さぶることに危険を覚えるんですけど、その芯をついている感じがいいんですね。僕としては『あまちゃん』でせっかく築いた、いいマスターのイメージが壊れてしまうのが残念というか。小気味よく壊れていくんですよねぇ」と語ると、監督は大笑いだ。演出家としても活動する松尾。「演出家として観ても、危険。女王様演じる渡辺直美さんが、画面の左側に頻繁に出てくるんですよ。あの想像を超えた出方に、危険を感じました。これ、知ってると余計に危険ですよ」と、これから観る人たちにアピールした。

「本作が10年ぶりの映画出演となった冨永は、「よくわからない映画。観る方によって、考え方や感じ方も違う作品です」と感想。演じた女王様については「普段やらないことなので、どのように見えるのかなと思っています」と語った。

同じく女王様を演じた片桐は、「監督の映画は、海外で上映を楽しみにしていらっしゃる方も多いと聞くので、海外の人たちが“日本に行ったら、こういう女王様がいるんじゃないかな”という感じで演じました」と挨拶。「片桐さんは撮影中、たびたび“私の役はどういう役なんですか?”と訊いてきて。答えようがなかったけど、すごく重要な役やったんですよ」と説き伏せるように語りかける松本監督。松尾と同じく、朝ドラ「あまちゃん」に出演していたとあって、司会から「イメージは大丈夫ですか?」と訊かれると、「まぁ、海女のスウェットスーツとは似たような感じも……」と返答。すぐさま「海女に謝ってください!」と松尾にツッコまれていた。

息子の嵐役を演じた西本は「『R100』を一言でいうと、訳がわかんないけど面白いということです!」と元気に返答。「でも、R15+指定だから、本当は観たらダメなんじゃないの?」と優しくツッコむ監督は、「うふふふふ……」とただただ笑う西本に「笑うとけ、笑うとけ」と語りかける。さらに、西本が「監督が現場では優しくて、『R100』をよくしてくれた先生みたいなもんです!」とハキハキ答えると、会場は爆笑。監督から「いまのが今日イチウケた」と誉められ、誇らしげな表情を浮かべていた。

「一言でいうと、悪ノリ?した悪夢っていう感じですかね」と答えたのは、女王様役の佐藤。「Sっぽい役は多いんですけど、一生、経験しないことをやらせていただきました」と語った。

片山の妻・節子を演じたのはYOU。「25年前、一緒にさせていただいたお仕事から、いままでのほかのお仕事を全て集結したつもりで演じてます」と熱くコメントしたが、「観ていただけたらわかると思うんですけど……どこかで熱心に演じております。探してください!」と笑いながらアピールする。松本作品はいつも映画館で鑑賞しているそうで、「今回もちゃんとお金を払って観に行きたいので、さらさらっと観ただけ。でも、なんとなく観た感じではすごく好きでした」とあやふやに語っていた。

片山の義父を演じた前田は、「物語がどんどん進んでいくうちに緊張したりだとかはあるんだけど、見終わったあとに幸せ感があった。世界平和がイメージされた作品でした」と笑顔で感想を語る。初めて映画に出演してから今作が100本目の出演作となるそうで、「ようやく100本。『R100』は、前田吟記念の100本目の映画だと思って観ていただけたら」と語ると、温かい拍手が贈られた。

「まっちゃーん!」という声援が飛ぶ中、いよいよ挨拶することになった松本監督。「吟さんと一語一句かぶってしまった」と笑いを誘う。「仙台、北海道、広島、トロントでも上映してまして……まぁ、全部ウケてますねん。ウケてるんです。これが間違いない。だから、今日もウケますね」と自信たっぷり。

映画については常にコメディを狙っている部分はないそうだが、「いままでなかった世界観というか、松本ブランドができてきたのかなと思ってます」と手応えを感じている様子だ。「今回の台本は相当ムチャクチャなんですけど、シリアスに演じてもらうことで、例えば圧力釜の圧力がどんどん高まってきて、笑いというものが勝手に吹き出しているような感じになりました。みなさん、勝手なところで吹き出していただけたら。変な先入観なしで楽しんでもらえるといいですね」と語りかけた。

監督として嬉しい瞬間を訊ねられると、「トロント(国際映画祭)で、みなさんが喜んでくれたことが監督冥利に尽きるというか、ものをつくることは一生懸命やらないといけないんだなと思った」としみじみ。今回、16ミリフィルムで撮影したことについては、「僕の好きな世界観は昭和のイメージで、そういうのもあるし、映像に少し緊張感を持たせるというか。ホラーまではいかないんですけど、画面から怖さが出るといいなと思ったんです。で、それがウケてます」と笑わせた。

トロントへは大森、渡部と向かったが、松本監督が取材を受けている間、2人はナイアガラの滝へ出かけていたとのこと。「本当にすみません。大森は野球も観たようですよ」と渡部に言われると、「ほんまひどいですよ」と嘆いていた。

さらに来年、ニューヨーク、サンフランシスコを始めとした全米での公開が発表されると、観客からは大きな拍手。「監督としては、新人に毛が生えたようなもん。その割にはよく頑張ってると思いますよ」とユーモア溢れる語り口で、続けて「いま、『父はM。』っていうポスターが都内にたくさん貼ってるんですけど、家族で観るとなんとも言えない空気になるんですよね」と自虐的に語り、さらなる笑いを起こしていた。

舞台挨拶終了後には、渡辺からのビデオメッセージも。「セクシーなボンテージ姿で出てますよ。最後まで楽しんでくださいね〜!」と呼びかけていた。

映画「R100」は10月5日(土)全国ロードショー。

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