「R100」上映でマツモトコール、トロント国際映画祭に松本人志ら登壇。

2013/09/14 05:00 Written by Narinari.com編集部

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第38回トロント国際映画祭において、ミッドナイト・マッドネス(MIDNIGHT MADNESS)部門にて正式上映された映画「R100」の松本人志監督、大森南朋、渡部篤郎が9月13日、レッドカーペット、舞台挨拶、上映後の観客からの質疑応答を行った。

午前0時からという深夜の上映にも関わらず、会場である「ライヤーソン・シアター」の前には、上映を待つ長蛇の列ができ、また、完売のために入れなかった約200人の観客ががシアターの周りに監督・キャストを一目見ようと押し掛ける状態に。午前0時に監督・キャストがレッドカーペットに到着した瞬間には、割れんばかりの声援とカメラフラッシュが嵐のようにたかれた。

レッドカーペットでは海外メディアの取材やファンに対してサインや握手などファンサービスを行い、ほかの作品では通常5分で終了するレッドカーペットは30分も。その後、会場に入り、プログラムディレクターであるコリン・ゲッデスの呼び込みのもと、松本監督、大森、渡部が登場するやいなや、完売した1,200席の観客から割れんばかりの「マツモト!」コールが。さらに9月8日に50歳の誕生日を迎えた松本監督に対して、一体になって「Happy Birthday」の大合唱が始まった。

突然のサプライズに感動の色を隠せない松本監督にコリン氏が挨拶を促すと、地元のメジャーリーグチーム「トロント・ブルージェイズ」の旗にカンニングペーパーを貼った渾身の(?)挨拶を披露。

「The Dominatrices is sexy, Eh?」(女王様はセクシーだと思わへん?)、「Maple syrup is more sexy, Eh?」(メープルシロップはもっとセクシーだと思わへん?)、「R100 is the sexiest, Eh?」(R100 が一番セクシーだと思わへん?)と、カナダの方言(Eh?がカナダの方言。“だと思わない?”という意味)を取り入れた舞台挨拶に観客は大爆笑となった。

その後、コリン氏が仕込んだ女王様に松本監督は何故かムチでしばかれ、満面の笑みを浮かべる一幕も。そして観客と一緒に鑑賞したが、上映中は観客からは終始「WOW!」「NO!!」などさまざまなリアクションがや笑いが起こり、純粋に映画を楽しんでいる様子がうかがえた。

エンドクレジットが流れ始めると、観客の大きな喝采に松本監督、大森、渡部は感動の面持ちに。その後、観客の質疑応答に答えるためステージに登壇した。

「娘がいると聞きましたがこの映画を観せられますか?」という質問に、監督は「娘は今3歳なので、日本の規則ではこの映画は15歳以上しか観られないのですが、娘が15歳になった時にはもっと凄いのを撮ってやろうと思います」。そして「海外での初上映の感触はいかがですか?」との質問には「みなさんの反応がすばらしいですね!こんな経験をするとまた映画を撮りたくなりますね」と意欲をのぞかせ、さらに「相方の浜田さんは観てますか?」と聞かれると、「まだ観ていませんが、観ても彼の頭じゃ理解できないでしょうね」と続けた。

日本プレスの囲み取材で、上映の感想を聞かれた松本監督は「冒頭から観客の反応がかなり良かったので、後半までこのテンションが持つかなと心配だったのですが、最後まで凄いテンションで盛り上がってもらって感動しました。ヨーロッパの観客とは違いストレートに感情をリアクションするのが嬉しかったですね。でも初めてトロントに来たので、いいリアクションを頂いているのであって、毎週来ていたら誰も反応しませんね(笑)」、大森は「観客のいいリアクションに驚きました。上映後、映画の中で私はひどい姿をさらしているので質疑応答の時は不安の中、登壇しましたが、反応が良くて安心しました。また観客の映画を楽しむ姿勢が私にとってもかなり勉強になりました」、渡部は「お客さんと同じ目線で観れたことが本当に嬉しい。いい経験をさせていただきました」と語った。

また、「R100」は米国、英国、フランス、カナダ、ドイツ、ロシア、フィンランド、ベルギー、オランダ、イタリア、スペイン、ノルウェー、香港、台湾、中国、タイ、シンガポール、インドなど約20か国のバイヤーより購入のオファーがあり、特に米国では公開に向けて最終調整するなど各国のバイヤーからも高い関心が寄せられている。

海外媒体からも評価が高く、トロントの大手月刊誌「Exclaim」は10段階中8をつけ「『R100』は驚きに溢れたアートであり、非常にスペシャルでユニークなシネマである。ジョン・ウォーターズやデイビッド・リンチのスタイルが好きな観客に、あの不思議で奇妙な世界観を大いに感じさせてくれるこの作品は、まさに喜びの唄なのである」と称賛。

トロントの大手週刊誌「THE GRID」も同じく10段階中の8をつけ「『殺し屋1』を演じた大森南朋が、黒い皮に身を包んだ女王達に、喜びを感じながら打たれて羞恥を感じるその様は、最高に見事なクライマックスで見事に結実する。そして松本監督が、ジャパニーズシネマにおいて最も刺激的な作家であることを証明してくれる」、世界的映画雑誌「HOLLYWOOD REPORTER」では、「SMをテーマにした作品において、ここまで美しく奇妙に創造された作品はいままでなかった」、米国最大手の映画サイト「TWITCH」では、「幸せを求める人間の限界を追求したこの作品は、強烈なまでに知性的で、笑いよりもむしろ才覚に溢れている。松本監督はこの地球上で最も最高でユニークな監督だ!」と松本監督のオリジナリティを高く評価した。

トロント国際映画祭のプログラムディレクターでコリン・ゲッデス氏は「松本作品をやるのは3回目だ。ここに来てる観客は“松ちゃん”をコメディアンとして見ているのではなく、監督として見ている。彼の作品はワイルドでクレイジーだよ」と答え、「ファンの熱狂ぶりは?」との質問には「僕は彼がどんなに有名か、いかにBIGか知っているけど、彼のためにこんなに(ファンが)集まっているのを見るのはエキサイティングだよ。彼を知らない人たちもこの状況を見て驚いていると思うよ!」と興奮気味に答えた。



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