泥棒への“つるし刑”で物議、警備員の対応に「やり過ぎ」と批判も。

2013/09/10 17:19 Written by Narinari.com編集部

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中国の田舎などに行くと、泥棒などがさらし刑にされている現場をいまだに見かけることがある。しかし、中国社会にも変化は起きており、こうした行為が明らかになると、批判が殺到する時代になってきたこともまた事実だ。先日、ある警備員が捕らえた犯人を“つるし刑”に処す一件が起きたが、これがメディアで報じられると、すぐにネットで物議を醸すことになったという。

中国紙武漢晩報などによると、この一件は8月23日、湖北省武漢市漢陽区にある集合住宅の敷地内でのこと。当時現場にいた人の話では、警備員は捕まえた泥棒を、まず、事務室の外に縛り付けた後、敷地内にある高さ3メートルほどの壁の上にある欄干からつり下げられ、さらし刑に処されたという。警備員がすぐに警察に引き渡さなかったのは夜中だったせいもあるのかもしれないが、一部の住民はつるされる泥棒を見て拍手喝采だったそうだ。

ただ、この一件がメディアに報じられると、ネットユーザーからは警備員に対して批判が殺到する。たびたび被害に遭ってきた住民はどちらかと言えば肯定的にとらえているが、“赤の他人”からすれば「やり過ぎ」と映った様子。弁護士も「犯罪者にも人権がある」と否定的で、泥棒を5時間近くさらし続けたのは「不当拘禁の疑いがある」と断じている。ただ、“つるし刑”と言っても、「泥棒の足は地面に着いていた」との報道もあり、ネットに掲載されている写真からは判別できない。

なお、空き巣や泥棒被害が頻発している中国の集合住宅では、その矛先が管理会社や警備員に向けられることが多く、住民が警備員を罵っている姿を見ることも珍しくない。実際、この集合住宅では7月21日ごろから窃盗事件が頻発していたようで、管理会社や警備員に対する住民のプレッシャーは日増しに高まっていた。そうした中で起きた今回の一件だけに、ネットユーザーからは「(普段から住民に罵られていた)警備員たちの怒りが“つるし刑”となって爆発したのでは?」との見方も出ている。

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