65年仲良し夫婦が同日に死去、家族は「神様が起こしたとしか…」。

2013/08/29 21:05 Written by Narinari.com編集部

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日頃からお互いを強く想い合っている仲良し夫婦なら、どちらかに先立たれて遺されるのが一番の悲劇かもしれない。できることなら、共に幸せな時間を充分に過ごした上で一緒に天に召されるという愛の結末を、理想的な人生の終わり方と考える人もいることだろう。米国では先日、66回目の結婚記念日を間近に控えていた91歳と89歳の夫婦が、家族に見守られながら同じ日の午前と午後に相次いで亡くなったそうで、強い絆を思わせる最期を迎えた2人に、米国でも大きな注目が集まっているようだ。

米放送局ABCやFOXなどによると、この2人はオハイオ州ロシアの療養所内の同じ部屋でこの世を去った、91歳の夫ハロルド・クナプケさんと89歳の妻ルシーさん。教師をしていたハロルドさんは、第二次世界大戦中に知り合いだったルシーさんの義理の兄弟を通じて将来の妻となる彼女を紹介され、海外派遣中は手紙を通じて愛を育んだ。そして、戦争終了後の1947年8月20日に2人は結婚。6人の子宝にも恵まれ、2人で一生懸命働き続けながら、同州フォートリカバリーで幸せな家庭を築いていったという。

そんな両親の間に生まれ、「ハリウッドのような派手さはなかったが、確かに愛を感じた」と話すのは、2人の娘であるキャロル・ロミーさん。その関係性は晩年でも見られたそうで、2か月前に入った療養所では、介護士の介助を受けて先に寝かされる妻の元に、夫は毎晩近づいては聖水を与えて祈り、キスをして眠るのが「彼らの儀式だった」という。2人は、テレビを見る時もソファーに座って手を繋いでいたほどの仲良し夫婦だったそうだが、今年8月に入ってルシーさんの体調に異変が起きた。

亡くなる数日前、重い感染症にかかって容体が悪化したというルシーさん。彼女の命がもはや長くはないと感じた家族は、やはり健康状態に陰りを見せていた父ハロルドさんへ、母親の状態を説明した。すると、ベッドで興奮した様子を見せ始めた父は、妻のことを考え続けたのか数日間眠れぬ夜を過ごしたという。しかし8月9日、平静さを取り戻したかのように見えた彼は、急速に生気を失い始め、それから2日後の11日午前7時30分に死去。そして11時間後の午後6時30分、感染症を患ったルシーさんも息を引き取り、2人は同じ日に相次いで旅立っていった。

「2人一緒にこの世を去るなんて思いもしてなかった」というのは、20歳の孫ジェフ・サイモンさん。家族から妻の話を聞き、「父は『彼女は私を置いていかない』と考えたのだと思う」と娘ロミーさんが語れば、孫サイモンさんは2人の強い信頼関係が生んだ結末として「神様が起こしたとしか思えない」と話し、家族は皆「偶然で同じ日になったのではないと思っている」という。

2人が好きだったからと「今ごろ天国でダンスをして楽しんでいるんじゃないか」とも話したロミーさんは、天国でも両親が幸せでいられると、悲しみの中に嬉しさも感じているようだ。

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