列車衝突で吹っ飛ぶもムクリ、ヘッドホンで音楽聴き警笛気付けず。

2013/08/23 17:01 Written by Narinari.com編集部

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先日、米インディアナ州で線路沿いを歩いていた22歳の男性が、後ろから走って来た高速列車にはねられる事故があった。男性はヘッドホンで音楽を聞いていたため、列車が警笛を鳴らしていても気が付かず、時速110マイル(約180キロ)のスピードで跳ね飛ばされたという。列車の乗務員は最悪の事態を想定したが、近づいてみると男性は痛みを訴えながらも体を起こしたそうで、腕や腰など複数箇所を骨折はしていたものの、命は助かった。

米放送局NBC系列WMAQ-TVやABC系列WBND-LDなどによると、事故は8月16日午前11時半頃、インディアナ州ミシガンシティ付近を通るアムトラック(全米鉄道旅客公社)の線路上で起きた。現場付近に住む22歳の男性はこの日、近くにある五大湖の1つ、ミシガン湖の湖畔でジョギングしようと出かけ、線路のそばを西に向かって歩いていたという。当時、彼はヘッドホンで音楽を聞きながら歩いており、これが後に事故に巻き込まれる大きな要因となってしまった。

やがて、彼の背後にシカゴへ向かっていた高速列車が接近。現場は「カーブを過ぎた先」(米放送局ABCより)だったせいもあり、時速約180キロで走行していた列車の運転士も男性の存在に直線区間に入るまで気付けず、線路を歩いていた人影を発見してすぐに警笛を鳴らした。しかし、ヘッドホンを付けていた男性に反応は見られず、列車は非常ブレーキをかけたものの急激な減速に至る前に男性と衝突。男性は「50フィート(約15メートル)」ほど飛ばされ、乗務員らは列車を停車させて現場に降り、彼のもとへと駆け寄った。

また間もなく、近くで事故を目撃した通行人と出くわしたパトロール中の警察官も現場へ到着。事情を聞いた運転士からは、男性が衝突したときにかなり大きな音がしたため、「最悪の事態を予感させる」と言われたそうだ。ところが、いざ飛ばされた男性のもとへと近づいてみると、彼は出血していたが、体を起こすと「腕が折れたみたいだ」と訴え、自分の状況についての説明などを彼らと話したという。

その後運ばれた病院では、首から骨盤にかけての広い範囲で複数個所の骨折が見つかったものの、「命に別条はない」と診断。過去にも列車事故の捜査を経験している警察官は、列車にはねられて生き残った人の例は「聞いたことがない」と話し、彼が助かったのは「本当に素晴らしい」と喜んでいる。

また、メディアの取材に応じた男性の母親は、彼が事故の瞬間を「覚えていない」と話していることを明らかにした上で、息子が生き残ったのは「奇跡」とコメント。退院のメドが立っていない男性は、いずれ回復に向けたリハビリも数多くこなさなければならないそうで、今回の経験を人生の教訓にして、体が元通りに回復するという、さらなる“奇跡”を実現できるように頑張って欲しいところだ。

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