スパイと誤解でGoogleカー拘束、ダム建設反対の村で住民に囲まれる。

2013/08/20 07:41 Written by Narinari.com編集部

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世界中の景色を網羅すべく、今日もどこかを走っている“Googleカー”ことGoogleストリートビューの撮影車。多くの人が家にいながらにして見知らぬ土地の光景を目にできるのは、スタッフが日々“Googleカー”に乗って撮影に奔走しているからに他ならない。そんな撮影スタッフたちは、さまざまな場所を巡っていると思わぬ事態に直面するケースもあるようで、先日タイの村では地元住民らに車を止められた上、一時拘束される事態になったという。

タイ紙バンコク・ポストによると、この一件が起きたのは、タイ北部プレー県にある村。8月13日、この村に入ってGoogleストリートビューの撮影を行っていたタイ人男性スタッフの車が、複数の村民により取り囲まれ、行く手を阻まれてしまった。さらに、村民らは車の中から引きずり出したスタッフを寺に連れ込んで拘束。仏像の前に座らせ、撮影にやってきた目的などを聞き出そうとした。

実は、最近この一帯には政府によるダム建設計画が持ち上がり、村では多くの村民が計画に反対していたそう。そこに、屋根にカメラを付けてたくさんの機材を積んだ車が来たため、村民らは政府関係者が調査を行うために訪れ、計画を進めようとしていると誤解。調査を中止させて“政府のスパイ”から話を聞こうとした村民らは、彼らが深く信仰している仏様の前なら男性スタッフは嘘をつけないだろうと、事情を探るために村にある寺へと連れていった。

疑いを向ける村民らから、寺でさまざまな質問をぶつけられたという男性スタッフ。答える彼に対し、村民は仏様の前で嘘をついたら「1週間以内に不幸な目に遭うだろう」と脅し、正直に話すよう迫ったそうだ。しかし、彼がGoogleストリートビューの撮影にやって来たスタッフだと分かると、態度を一転。政府のスパイと勝手に勘違いして一時拘束したことに対し、翌日には村が正式にGoogleへ謝罪を伝えた。

同時に、今後再びGoogleストリートビューの車が撮影に訪れた際は「歓迎する」との意向も示した村側。Google側は今回の一件があった事実を認め、自分たちが日々行う業務は「ときどき予想外の困難に遭うもの」として、村の謝罪を受け入れて特に問題視しない姿勢を示しているという。

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