「風立ちぬ」の喫煙描写に苦言、日本禁煙学会がスタジオジブリに要望。

2013/08/14 14:47 Written by Narinari.com編集部

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日本禁煙学会は8月12日、現在公開中のスタジオジブリ最新作「風立ちぬ」におけるタバコの描写について“苦言”を呈し、公式サイトに要望文を掲載した。

「映画『風立ちぬ』なかでのタバコの描写について苦言があります」から始まる要望文は、まず、「現在、我が国を含む177か国以上が批准している『タバコ規制枠組み条約』の13条であらゆるメディアによるタバコ広告・宣伝を禁止しています」と、昨今、世界におけるタバコを取り巻く状況を説明した上で、「この条項を順守すると、この作品は条約違反ということになります」と指摘した。

具体的には「教室での喫煙場面、職場で上司を含め職員の多くが喫煙している場面、高級リゾートホテルのレストラン内での喫煙場面など、数え上げれば枚挙にいとまがありません」とし、中でも特に「肺結核で伏している妻の手を握りながらの喫煙描写は問題です。夫婦間の、それも特に妻の心理を描写する目的があるとはいえ、なぜこの場面でタバコが使われなくてはならなかったのでしょうか。他の方法でも十分表現できたはずです」と疑問を投げかけた。

また、「学生が『タバコくれ』と友人にタバコをもらう場面などは未成年者の喫煙を助長し、国内法の『未成年者喫煙禁止法』にも抵触するおそれがあります。事実、公開中のこの映画には小学生も含む多くの子どもたちが映画館に足を運んでいます。過去の出来事とはいえ、さまざまな場面での喫煙シーンがこども達に与える影響は無視できません」とし、「誰もが知っているような有名企業である貴社が法律や条約を無視することはいかがなものでしょうか。企業の社会的責任がいろいろな場面で取りざたされている昨今、貴社におきましてもぜひ法令遵守をした映画制作をお願いいたします」と要望した。

なお、日本禁煙学会としては、スタジオジブリを誹謗中傷する目的は一切なく、「貴社がますます繁栄し今後とも映画ファンが喜ぶ作品の制作に関わられることを心から希望しております。どうぞその旨をご理解いただき、映画制作にあたってはタバコの扱いについて、特段の留意をされますことを心より要望いたします」と結んでいる。

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