“臓器提供”から19年ぶり復縁、長年友人関係も移植で距離縮まる。

2013/07/30 18:25 Written by ナリナリ編集部

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英国のあるカップルは、男児をもうけた直後の19年前に一度別れ、その後は女性が息子を連れて引っ越したため、定期的に連絡は取りあいながらも別々の道を歩んでいた。ところが4年前、長年患っていた彼女の腎臓病悪化を聞き付けた彼が、自分の腎臓提供を申し出て手術に踏み切ったことをきっかけに、再びお互いの必要性を認識して復縁する道を選択。2人の決断には、息子の望みも大いに後押しとなったようだ。

英紙デイリー・メールやデイリー・ミラーなどによると、このカップルは英南部の街レディングに住む53歳のゴードン・ヘンリーさんと、44歳のジョー・マクファーレンさん。2人の間には1993年に男の子が生まれたものの、同じ年の後半に別れを選んだそう。以後彼女は息子を連れ、彼と住んでいたレディングを離れ、家族が住んでいた中部の街シェフィールドへ転居。こうして別々の道を歩み出した2人だったが、息子を想う彼は定期的に連絡を取り続け、友人として良好な関係を続けていたという。

そんな2人の運命に再び転機が訪れたのは、2009年のこと。家族の提供により、一度移植手術を受けていたマクファーレンさんの腎臓が2004年から再び悪化し、またしても移植手術をする必要性に迫られたという。人工透析を受け続けて懸命に闘いながらも、自分の問題を一切彼へ伝えなかった彼女。しかし、母を見守り続けた息子から話が伝わり、彼は素晴らしい息子を1人で育て上げた「彼女に報いる良い機会」と臓器提供者になる決意を固めた。

彼の決意を息子から知らされたとき、初めは別れて久しい彼に「やれるわけがない」と半信半疑だった様子のマクファーレンさん。母の看護までしながら適合検査など“厳しい時間”をすべてやりきった彼が、本当に自分の臓器提供者となったときには、とても不思議な感覚に陥ったという。そして彼女を想う彼の行動に感動した周りの人や看護師からは、「彼はあなたとヨリを戻したがっているの」と言われ始め、復縁については当時「全く受け入れられなかった」彼女は言い返すのに必死だったそうだ。

そして2009年、シェフィールドの病院で元彼から元彼女への腎臓移植を実施。手術後、最初は復縁を考えていなかったマクファーレンさんも、大切な臓器を提供してくれた彼の病室を行き来して会話するようになり、自然と距離が縮まっていったそう。退院してからは「毎日電話で話をするようになって」親密さを戻した2人は、1年半前に「関係を戻そう」と決断。現在は、彼が住むレディングで幸せな時間を過ごしているという。

2人が19年ぶりに復縁して、誰よりも喜んでいるのが息子のジョーダンさん。物心がついたときには母1人だったとあって、2人が並ぶ姿を見て「本当に嬉しい」と喜びを実感したという。今では復縁したのが「おかしな話」と笑い合う、親子3人の時間もじっくり満喫しているそうで、「復縁のために行動したわけではない」と否定するヘンリーさんも、「私が助けられたから幸せになれたんだ」と話して、自分の決意が生んだ結果に満足しているそうだ。

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