現在、アジアツアーを敢行しているプレミアリーグの名門マンチェスター・ユナイテッド。7月26日には大阪長居スタジアムで、MF香川真司選手の古巣・セレッソ大阪と対戦したが、同試合を生中継していた中国では、“主役”マンチェスター・ユナイテッドのお株を奪う活躍をしたFW南野拓実選手に注目が集まっている。「ワールドクラスのシュートだ！」「いったいあいつは誰だ？」などと、中国のサッカーファンに強烈なインパクトを与えたようだ。

中国のスポーツ専門チャンネルはマンチェスター・ユナイテッドのアジアツアー全試合を生中継しており、セレッソ大阪戦も予定通り放映。マンチェスター・ユナイテッドはここまで、Aリーグ選抜（豪州）にこそ勝利を収めたものの、シンハーオールスターズ（タイ）と横浜F・マリノスには敗れるというパッとしないプレシーズンを送っているだけに、中国のファンからは「今日こそはマンUらしい素晴らしいゲームを！」などと期待する声が挙っていた。

しかし、実際にフタを開けてみれば横浜戦同様先制される苦しい展開に。後半に入ると香川選手のゴールでいったん同点に追いつくが、その10分後には再び勝ち越しを許すなど、ファンからすればイライラさせられる時間が続いた。

最終的に、後半ロスタイムに香川選手に代わって出場していたFWウィルフレッド・ザハ選手が同点ゴールを奪ったことで2-2となり、“Jリーグ勢に連敗”という屈辱は免れたが、この結果にファンが納得するはずがない。33万以上のフォロワー数を抱える新浪微博（中国版ツイッター）のマンチェスター・ユナイテッド関連のアカウントには、同クラブに対する罵詈雑言が多数書き込まれることになってしまった。

一方、試合結果を報じたスポーツメディアのコメント欄には、セレッソの2点目となるスーパーゴールを決めた南野選手に対する称賛が溢れた。「ワールドクラスのシュート！」「香川がかすむ活躍」「あいつは誰だ？」「南野拓実、まだ18歳だってよ」「先制点の杉本といい、日本には良い若手選手がたくさんいるな」などと注目を独り占めにしている。

仮にマンチェスター・ユナイテッドが勝利を収めていればこうした状況にはならなかったかもしれないが、この試合を通じてもっとも眩い輝きを放った南野選手のゴールには、多くの中国人も驚かざるを得なかったようだ。