各国間の物価感覚を比較する“ビッグマック指数”なる経済用語があるほど、世界中で多くの人に親しまれているマクドナルド。それだけ働くクルーも数多くいるわけだが、英国には現在88歳の男性クルーがいるそうで、英紙サンが先日「世界最高齢スタッフかもしれない」として彼を紹介する記事を掲載した。すると今度は米国のメディアが「彼を上回るクルーが見つかった」と92歳で元気に働く女性を紹介。ちょっとした、米英メディアによる“意地の張り合い”が展開されたようだ。
最初に、マクドナルドの最高齢クルーを巡る記事を紹介したのは英紙サン。7月5日付記事で、サン紙はウェールズ地方北部の街モールドで接客担当のマネージャーとして働く、88歳のビル・ダッドリーさんを紹介した。彼はタクシー運転手から航空機メーカーのエアバス、さらに大手鉄鋼会社ブリティッシュ・スチールなどで60年働いた後、マクドナルドでの仕事を始めたという。
「自宅にいるのが退屈」と、心臓にペースメーカーを入れた体ながらも1日6時間、週2日のペースで元気に働いているというダッドリーさん。当然ながら、はるかに年齢が下のクルーたちに囲まれる中での仕事に、彼は自分が「みんなの父親」のような存在になっていると話す。上司にあたる男性クルーは、そんな彼を人気があるだけでなく「素晴らしい従業員でもある」と評価。そして、「たぶん、世界で一番年長のクルーだと思う」と語ったという。
そんな彼を紹介したサン紙の記事に、“待った”をかけたのが米メディアだ。7月16日、米放送局CBS系列KCCI-TVが「サンの男性に勝つクルーを見つけた」と、アイオワ州ストーリーシティの店舗で働く92歳のサラ・ダッペンさんを紹介した。「通りを歩いているより、ここを歩き周っていたほうが面白いと思った」彼女は、5年前から仕事を開始。現在はホール作業を主に担当し、時に若いクルーたちへ接客のしかたを教える「キーメンバー」(米紙ニューヨーク・デイリーニュースより)として元気に働いているそうだ。
細かく決められたさまざまな作業もしっかりこなすダッペンさんを、米マクドナルド関係者は「すごいと思う」と称賛。彼女もまた、多くのクルーたちから尊敬を集めているようだ。結果的に、現時点ではダッペンさんのほうが一番となった“マクドナルド最年長クルー”の座。少なくとも英マクドナルドでは、「スタッフの年齢を記録したデータベースがない」ため、探してみればもっと年齢を重ねたクルーもいるのかもしれない。
しかし、2人とも90歳前後でありながら元気に働いているだけでも、とても素晴らしいこと。共通しているのは「いろいろな人と会って、話をするのが楽しい」としている点で、どちらも仕事を大いに楽しみながらこなしているのが、元気を秘訣になっているようだ。