自分の家が知らぬ間に更地に、業者が解体すべき近所の家と間違えた。

2013/07/22 15:31 Written by ナリナリ編集部

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かつて夫の祖母が住んでいた家を、今年になって買い取ったという米国のある夫婦。間もなく引っ越そうと考えていた2人は新たな生活の準備を進めようと、先日、新居へと足を運んだ。ところが家の近くまでやって来たとき、2人は思いもよらぬ現実を知ることとなる。引っ越すはずだった家が、跡形もなく消え去っていたのだ。

米紙フォートワース・スターテレグラムや米放送局FOX系列KDFW-TVなどによると、思わぬ事態に直面したのは、テキサス州フォートワースに住むデイビッド・アンダーウッドさん、ヴァレリーさん夫妻。今年、亡くなったデイビッドさんの祖母が長年住んでいた同じフォートワース市内にある家を叔母から買い取った2人は、それまで住んでいた家を売りに出して、1か月以内に引っ越すつもりで準備を進めていたという。そして7月13日、前日までボストン旅行に出かけていた2人は、庭の芝刈りなど家の手入れを行おうと、新居へ向かった。

車で近くまでやって来ると、見慣れた外壁や庭のほうに目を向けていたというデイビッドさん。ところが間もなく、家のほうを見上げていた妻から予想だにしない言葉が飛び出した。

「家が無くなってる……ような気がするんだけど」

この言葉に視線の先を変えた彼もまた、すぐに家が無くなっている現実に気が付いた。彼が子どもの頃から親しみ、12万2,200ドル(約1,200万円)の価値とされた家は、土台のコンクリート部分だけを残して跡形もなく姿を消していた。

実は2人が旅行から戻った12日、フォートワース市から依頼された業者が家を解体してしまったそう。しかし、2人の家が解体されたのは業者の間違いで、本来は今年1月に“使用不可”とされた近所の家を解体するはずだったところ、夫婦がまだ住んでいなかったことも災いし、場所を間違えて作業を実施。市当局はデイビッドさんからの連絡を受け、初めて事態を把握したという。

そして週明けの7月15日、市当局は契約した解体業者が誤って夫妻の家を破壊したと認め謝罪。家を間違えた原因の調査を進めるとともに、夫妻と補償交渉を行う意向を示した。ただ、驚くべき事態に巻き込まれたにも関わらず、もともと増築工事を考えていたからと、不満を見せなかったというおおらかな2人。「低所得の家族を支える非営利団体で働く」(米紙ダラス・オブザーバーより)デイビッドさんは、「私はとても苦しい生活の人を毎日見ているし、まだ家もあるから」とも話しており、交渉さえ速やかにまとまれば、大きな問題ではないと考えているようだ。

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