米国の学校では年度末になると、生徒一人一人の写真やその年に学校で起こった出来事をまとめたアルバム“イヤーブック”を作成し、生徒に配ります。日本でいう卒業アルバムに近いものですが、イヤーブックは卒業生だけに限らず、在校生全員が対象になっているのが大きな違いです。
そのイヤーブックに40年間、毎年同じ服装で写っていた教師が話題を呼んでいます。米テキサス州で小学校の体育教員をしていたデイル・アービー先生(62歳)は40年前、当時教えていた小学校でイヤーブックに載せる写真を撮影する際に「きちんとした格好で来ること」と指示されていたそうです。体育教師として、いつも運動しやすい服ばかり着ていたアービー先生は、自分が所有しているフォーマル用の服といえば、ポリエステル製のシャツに茶色のニットベストぐらいしか思いつかず、それを着て写真を撮影しました。
そして翌年もイヤーブック用の写真を撮影する季節が到来し、アービー先生もまた、カメラの前に座りました。ところがアービー先生、出来てきた写真を見て「去年の服装と全く同じじゃないか」と気付き、恥ずかしくなったそうです。そんな彼の姿を見た妻のキャシーさんは夫を元気づけるためもあってか、「いっそのこと来年も同じ服装で笑いをとれば良いんじゃない?」と提案しました。
アービー先生もその言葉を聞いて、こうなったらギャグにしてしまおうと、それから数年、本当に毎年同じ服を着て写真撮影に臨んだのです。さらに「5年経った時点で、もう辞める理由もないな、と思って……」と、その後は本人の“伝統”と化してしまい、今では40年分=40枚の写真が集まりました。
ちなみに時が過ぎるにつれ体型も変わってしまったアービー先生、シャツはどんどん小さくなってしまい、ここ数年はなかなかシャツのボタンを留めることが難しかったそうです。