“油断大敵”という言葉があるが、何も問題が起きそうにない慣れた状況ほど、思いもよらない落とし穴にはまるもの。ニュージーランドのある女性は先日の夜、唇にできたヘルペスが気になり、戸棚に入れていた薬を塗ってベッドに入ったそう。ところが直後に口が開かなくなり、塗ったのは薬ではなく間違えて手にした瞬間接着剤だったと判明。彼女は急いで救急車を呼ぼうと試みたものの、説明をするにも話ができず、大変な思いをしたという。
ニュージーランド放送局3NEWSやニュージーランド紙オタゴ・デイリータイムスによると、思わぬ問題に直面したのは、南島の街ダニーディンで暮らす64歳の女性。6月27日深夜、ヘルペスに薬を塗ろうとした女性は、普段使っている「薬が全部しまってある」戸棚から1本のチューブタイプの軟膏薬を探したという。しかし、“黄色のチューブ”という印象だけを頼りに見つけ出したのは、なぜか一緒にしまわれていた瞬間接着剤だった。
間違いに気付かず、そのまま接着剤を唇に塗ってしまった女性。しかも風邪をひいて鼻を詰まらせていたため、臭いが分からず間違いに気付けなかったという彼女は、接着剤を塗ってそのままベッドに入った。その直後、鼻が詰まってる上に口を開けられなくなって息苦しくなり、「私は何を塗ったの?」と慌てたという彼女。自分で口を接着剤でくっつけてしまったと分かり、彼女は救急車に来てもらおうと電話を手に取った。
ところが、当然口を開けられない状態では全く言葉が出て来ず、警察の問いかけにも終始「んー」と声を出すことしか出来なかった女性。自分の状態を何とか伝えようと必死の彼女に、当初警察も「攻撃されて口を塞がれているのかもしれない」と注意を高め、粘り強く情報を聞き出そうとしていたという。やがて細かな質問を繰り返す警察に、彼女は「1回叩けばノー、2回叩けばイエス」と音でやり取りする方法を見出し、時間をかけて何とか自宅の場所を伝えたそうだ。
それでも何が起きたかまで把握できなかった警察は、女性が襲撃被害に遭っている可能性も考えて警察犬も連れ、チームを組んで対応。結局、注意して彼女の家を訪ねてみると、口を閉じて苦しんでいた彼女の問題がやっと分かり、すぐに手配した救急車で女性は病院に運ばれた。そして治療を受け、ほどなくして自宅へ帰ることができたという。