覆面パト追跡したのは覆面パト、互いに交通違反車と思いカーチェイス。

2013/06/27 20:35 Written by Narinari.com編集部

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警察車両と分からぬよう、一般車と同じ見かけで街中を走っている覆面パトカー。さすがに関係者ならば覆面パトカーと一目で判別できる“何か”があるのかと思いきや、必ずしもそうとは限らないケースもあるようだ。このほどデンマークで報じられたのは、2人の警察官が互いに乗っていた覆面パトカーを“交通違反者の車”と思い込んだという一件。結果、一般道で乱暴なカーチェイスを続けて事故を起こしたという。

デンマーク紙コペンハーゲン・ポストによると、問題の事故が起きたのは昨年1月17日のこと。その日、コペンハーゲン近郊のグラズサクセ付近の一般道で警戒に当たっていた覆面パトカーは、スピード違反の乗用車を発見。追跡を始めたという。すると、覆面パトカーをぴたりとマークするように1台の乗用車が後ろから追いかけ始め、運転していた警察官は追っていた違反者の仲間が「追跡を止めさせようと」嫌がらせをしてきたと思ったそうだ。

実は覆面パトカーを追い掛け始めた車も、別の覆面パトカーだった。共に普通の乗用車を使い、2人とも私服で仕事をしていたために「お互いに仲間の警察官だと分からなかった」のが問題の原因になったという。いつしかお互いの存在しか目に入らなくなった、2台の覆面パトカー。追われたほうは追跡を振り切ろうと、追うほうは逃げられまいと必死になってしまい、気付けば2台とも速度制限を上回る相当なスピードで道路を走っていた。

しかもその最中、赤信号を無視したり、中央分離帯や自転車専用道路に入り込んだりと、乱暴運転を繰り広げたという2人の警察官。自転車に乗っていて、覆面パトカーとの接触を回避しようと急ブレーキをかけて転倒した市民もいるなど、周囲の交通に支障をきたした上、最後は市民が運転する乗用車に衝突して停止し、ようやくカーチェイスは終わりを迎えた。幸いけが人は出なかったが、2人はその後、危険運転を行った罪に問われた。

この事件は、一度は検察官の判断で不起訴とされたものの、最近になって判断が覆り、今年9月25日から裁判が始まることが決まったため、メディアに取り上げられた。警察官の1人の弁護士は、追跡は正当な職務執行とした上で、「上司も覆面パトカーの乗務を認めていた」として、裁判になるのはおかしいと主張している。

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