現在ブラジルで開催中のサッカー・コンフェデレーションズカップ。各大陸の王者が集うこの大会はブラジルW杯の“プレ大会”として多くのサッカーファンの注目を集めているが、中継を行った香港のテレビ番組で、ちょっとした騒動が起きた。「日本代表を応援している」と発言した女性に向かって男性芸能人が「あなたは慰安婦か？」とツッコミを入れたためだ。

多くの中国メディアが伝えたところによると、“慰安婦発言”で物議を醸したのは香港エンタメ界の大御所、エリック・ツァン（曾志偉）。俳優だけでなく、映画監督やプロデューサー、司会者などもこなす、香港ではその名を知らない人がいないほどの超有名人だが、コンフェデレーションカップ特番（TVB系列）に出演したエリックは、女性司会者の「私は日本代表を応援するわ」との答えを聞き、すかさず「あなたは慰安婦か？」とツッコミを入れたのだ。

すぐさま別の出演者がフォローを入れたことで番組は普通に進行していったが、この一件は後日メディアで報じられることに。香港ではエリックは口が軽いことでも有名で、これまでその発言で何度か騒動を引き起こしている。また、2012年には尖閣問題の影響から出演予定だったドラマ「金田一少年の事件簿」を降板したと日本で報じられ、一部ネットユーザーから“反日スター”のレッテルを貼られた。ただ、エリックは東日本大震災後に東北地方を訪れる旅行番組に出演するなど、日本を応援するような言動も見せており、思想的に“反日”なのかどうかは定かではない。

なお、今回の一件に関する中国のネットアンケートの結果は、6月17日現在、約70％がエリックを支持。ほとんどが中国大陸のネットユーザーの回答なのであまり参考にならないが、「日本代表を支持したのだから、“慰安婦”呼ばわりされても当然」といった雰囲気が漂っている。ただ、中には「仮に冗談だとしても有名人として配慮に欠けている」などと、批判的な意見もあるようだ。