W杯予選イランと韓国一触即発、両国サッカー界に遺恨残す可能性も。

2013/06/19 04:44 Written by Narinari.com編集部

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6月18日、ブラジルW杯アジア4次予選最終節が各地で行われた。結果、すでに出場を決めていた日本とともに、イランと韓国、豪州が出場権を獲得することになったが(各グループ3位のウズベキスタンとヨルダンはアジアプレーオフ出場枠獲得)、試合前から“舌戦”を繰り広げていた韓国とイラン両代表の戦いは、後味の悪い内容となってしまったようだ。中国メディア新浪体育が伝えた。

韓国対イランの試合は、前半はホームで攻勢をかける韓国の猛攻にイランが一方的に耐える展開が続く。しかし、後半60分、韓国のDFキム・ヨングォン(広州恒大)がボールの処理を誤り、そのスキをついたイランのFWグーシャネジャド(スタンダール・リエージュ)がそのままドリブルで駆け上がりキーパーと1対1となり、冷静にゴール左隅にシュートを叩き込んだ。結局この1点が決勝点となり、韓国はホームで多くのサポーターに囲まれながら敗戦。3位のウズベキスタンに勝ち点では並ばれたものの、得失点差で1だけ上回り、かろうじて出場権を獲得するという“屈辱”を味わうことになった。

そして、試合後に一触即発の事態が発生する。勝利を手にしたイラン代表の選手たちが喜びを爆発させて韓国人サポーターを挑発するとともに、イランのカルロス・ケイロス監督が韓国のベンチに向かってガッツポーズ。これに腹を立てた韓国のコーチ陣が詰め寄り、また、韓国人サポーターがケイロス監督にペットボトルを投げつけるなど、現場は一時騒然とした。

とは言え、元をたどればこの混乱の要因は試合前からヒートアップしていた両チームの振舞いにある。韓国のチェ・ガンヒ監督は11日、昨年10月にアウェーでイランに敗れた試合を引き合いに出し、「チームがイランでひどい扱いを受けた」として、リベンジを果たしたいと述べていた。これを聞きつけたケイロス監督は13日、「チェ監督が個人的な意見を明らかにすることはあるだろうが、イランをそのように蔑んではならない」とし、謝罪を要求。その後も両監督、両国選手の間で“舌戦”が繰り広げられることになってしまった。

また、ケイロス監督は試合前、チェ監督のモノクロ写真を貼付けたウェア姿の写真をイランサッカー協会のHPで披露。チェ監督の写真は加工されており、ウズベキスタンのユニフォームを着せられていた。これは、チェ監督が「ウズベキスタン、イランと競争しているが、イランがもっと憎い。ウズベキスタンと一緒に本大会に出場したい」と述べたことに対し、ケイロス監督が「ウズベキスタンのユニフォームを買ってチェ・ガンヒ監督に贈りたい」とジョークで切り返したことが発端になっている。

なお、韓国サッカー協会はこの写真を問題視しており、尾を引く可能性もあるとのこと。試合後に行われた会見でケイロス監督は「あれは冗談です。悪気はありませんでした」と釈明しているが、写真はともかくとして、今回の一連の騒動は両国サッカー界に深い遺恨を残すことになるかもしれない。

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